先日ちょっと盛り上がりを見せた『「編み物」というジャンルだけは教本より動画が勝ってるな』という投稿、なかなか興味深い話ですよね。
“だけ”というのは賛同しかねるけど、習得や研究を目的とするなら同意です。

全体的に眺めると「同意する人」と「習熟度によるよね。」という人がいます。
後者の方が多い印象はあるけど。
でね、元ツイ探したけど削除したんかな。
かんたんには辿り着けなかった。
どっちが勝ってるとかじゃない。
勝ち負けはない。どっちも良い。
という声もあったから、誰かが「勝敗つけるなー」とでも言ったのかな。
注:当記事でのレベルとは初心者、初級、中級、上級というレシピに記載があるレベルと同義であり優劣をつけるものではございません。
最初は静止画より動画を見る方が分かりやすい

やっぱりね、習いたては文章だけだと動きが想像しにくいと思うんです。
編み物の基礎本ってたくさんあって、イラストか写真で解説がありますが実際の針の動かし方はわからない。
(うっかりコンビ式になってしまう原因の一つにこれがあると思う)
わたしは母に教わりましたが、母がお手本を見せてくれました。
実演してくれる人が身近にいることは習得において1番の近道だと思う。
けど、編み物を始めたい人みんなのすぐそばに、編み物ができる人がいるわけでもないでしょ。
かといって、編み物教室に習いに行くのはちょっとハードルが高いと思う。
近くに教室があればそれも運が良いと思う。
じゃ、本ならどうなの?
って話だけど、ある程度の経験を積んだわたしでも、新たなテクニックを学ぶために基礎本を開いて
「イラストだけだとわかりにくい、写真だけでもわかりにくい。」
ということはありました。
インターネット環境が整った現代、全くの初心者が動画を活用できるというのは恵まれた環境であると思います。
大いに活用してほしいです。
だけど動画やブログなどの情報を活用するには注意事項があるので気を付けてくださいね。
動画とテキスト使い分け
この流れでなんかこんな風刺画(?)が流れてきました。
元ツイ探せなかったんだけど、
A:知らね。やってみて自分に合うと思う方にしたらいんじゃね〜中略〜そもそもタイパ気にするなら編み物するなよ
的なやつがあって、
「はい。そのとおりですね。」
とAに全面同意でした。
だけど一つだけ言えることはあります。
「この質問を投げかけるレベルなら動画にしなさい。」
ステップアップしたくなった時に基礎本を買いましょう。
それで、『編み物をするにあたり動画とテキストのどちらが良いか。』
ですがそれはレベルと目的によって皆さんすでに自然に使い分けてると思います。
テキストよりも動画の方が良い人とは

初心、初級者には動画をおすすめします。
理由は第一章の通りです。
実際に、編み物ブームでの新規参入者は動画から入った人が多いようです(あくまでSNSを眺めていた個人的な印象)。
だけど、基礎本を手元に置いておくと尚良いです。
世の中にはたくさん編み物の動画が上がっていますが、基礎を間違っている動画がちょいちょいあります。
針の持ち方はどうでもいいですが(先生には怒られそうだけど)、糸のかけ方や目の向きを間違えている動画が結構あります。
動画主の編み方が正しいかどうかを判断するために基礎本は一冊持っておきましょう。
※動画主と基礎本のテクニックが違っていても一概にそれが間違いというわけではなく、日本の基礎本には載っていない海外のテクニックを使用している場合があります。
中級・上級者も目的によっては動画を活用する
わたしはある程度いろんなものを編んでいるので、結構テクニックは習得できてる方だと思うのですが、それでも海外パターンを編んでいると「初めまして!」なテクニックに出会います。
そのときはやっぱり動画を活用します。
また、「あれってどうやるんだっけ」というときも動画を活用します。
そういうときは本をめくるよりググった方が早いので(動画見ながら編んでるから目の前PCがある)動画で編み方を確認するときがあります。
同じような古参の人、多いと思うんですよね。
また、すでに編み物を仕事にしているプロの人も研究のために動画を活用している人がいます。
作品の編み方(レシピ)を知りたい場合は意見が分かれる

初心者をターゲットにした作品の編み方の場合は動画が良いでしょうね。
最近の人の編み物習得方法は動画の方が多いようですし、そういう人は基礎本持ってないようですから。
動画育ちの初心者、初級者はテキスト(編み図なり文章なり)が読みとけないし、本なんかなくても動画のとおり編めば完成できますからね。
また、特定の人の動画で紹介されてる作品だけが編めれば良くて、
「今後自由にいろいろと編めるようになりたいわけではない」
という人も動画だけで良いでしょう。
だけど、現在古参となっている人の多くはテキストで育っていますよね。
テキスト育ちの古参はこう思ってます。
動画はまどろっこしい!
編み図の方がいい。
文章でも良い。
自分のペースじゃないと編めないんだ!
「再生速度を調整すれば?」
って思うかもしれないのですが、そういう問題でもないんです。
編み物って一定の自分のリズムで編まないときれいに編めないんですよ。
(ですよね。古参のみなさん。)
テキストで育ってたくさんの作品を完成させてきた人たちは、編み図全体を見ただけで編み方(レシピ)の全容が掴めます。
文章パターンであっても、レシピの冒頭によくあるNoteやIntroductionを読んで、チャートを見たらなんとなく全容が掴めるので、「動画」は非常にまどろっこしいのです。
(わたしがせっかちな可能性もあるけど)
というわけで
“特定の作品の編み方を知りたい”
という目的の場合は、レベルや性格によって動画とテキストのどちらが良いかは違ってきます。
動画でもテキストでもどっちでも良いけど注意事項はある

動画とテキストのどちらの方が良いかというのは、本当に人それぞれです。
習得においては動画が勝る。
というのは同意だけど、その動画が間違えていないことが前提です。
以前、キレイに編む方法の紹介動画がありまして、それがコンビ式だったんです。
※コンビ式については当ブログ内で検索してください。スマホの人はヘッダーの右上にあります。
動画のコメントに
「この編み方だと〇〇するときはどうするのですか」とあったのに対して、「〇〇に関してはやってないのでわかりません」と動画主が返信していました。
つまり、この人は自分の編み方がおかしいことを知らずにノウハウの動画をあげていたのです。
分かっていれば、きちんと返信することができ、解説もするはずです。
正しいか正しくないか。
においては、圧倒的にテキスト(基礎本)が勝ります。
それは編み物のプロが監修し、プロが校正・校閲しているからです。
(編み図はよく間違いがありますが出版社のHPに正誤表記があります。)
ちなみに動画の正しさについてですが、手芸メーカーが出している動画は確実に正しいです。
なので動画を作っている人が何者かをちゃんと確認しましょう。
あと、今の基礎本なら動画の解説URLとかありそうなもんだけど、どう?
もう必要ないからわたしは新しい基礎本買ってないけど、時代に合わせて動画付きだとうれしいよね。
編み物コンテンツを配信する人はこの傾向を活用しよう

例えばあなたが配信する側だとします。
「そのコンテンツのターゲットは誰ですか?」
「目的は何ですか?」
この答えによって、動画が良いのか、テキストがよいのかが違ってきます。
テクニックを配信したい人は動画に力を入れる。
レシピを配信したい人は、ターゲットはどのレベルなのかで、また違ってきて、初心者・初級者なら動画が良いだろうし、中級・上級者ならテキストが良いでしょう。
今回のTogetter、わたしは面白く読ませてもらいました。
これからブログとか、動画とか配信をしたい人は大いに参考になるネタだと思います。