わたしは「道具にはお金をかけよう。」という考えです。
その考えのもと、以前100均のかぎ針で編めるかを検証・レビューした記事を公開しました。
【100均のかぎ針でも編めるの? 未経験者が編んでみた】という記事では「100円のかぎ針でも編めるけどぉ…。ね。」みたいな結果になりました。
でもそれは、かぎ針だからかもしれない。
棒針ならばイケるんじゃない?
と思いまして、今回は100円グッズで棒針編みをしてみました。
経験者だとストレスがたまる100均輪針
前提としてこの記事は、これから棒針編みを始めようと思っている人に向けて書いています。
予算が多く準備できない人でも、編み物に興味があればぜひとも初めて欲しいので、比較対象になる他の棒針を知らないならば多少難があっても「こんなものか」と思って使うことができると言っておきます。
さて、以前の100均かぎ針のレビュー記事では「経験者(わたし)だとふだん使っている道具が100均の道具の品質に負けるはずがない」という思い込みから、公平性に欠けたレビューになると思い、全くの初心者にかぎ針編みをしてもらい、レビューしてもらいました。
ですが今回は協力者を得ることができなかったので、公平性に欠けるとしても経験者であるわたしがレビューします。
使った道具と糸
今回は輪針を使います。
棒針にも種類があり、二本棒針もダイソーにはあるのですが今回は輪に編んでいくスヌードを編もうと思っているので輪針です。
糸はこれ。
近年ニッターの間で話題になっていて以前から気になっていました。
わたしが見る限りのSNSでの一番人気はこのメランジです。
素材はアクリル100%。
触り心地はかなりいいです。
道具には期待していないだけに、この糸にはテンションが上がります。
基本の基、メリヤス編みでいざ検証
指でかける作り目をして輪にします。
ふだんのわたしなら、作り目をするときは実際に編む号数よりも2号太い針で作り目をしますが、今回は100均だけの道具で編んでみたいので、作り目は両端の針をまとめて持って作り目をします。
作りたい数の目を作ったら、片方の針を外します。
しかしここですでに暗雲が立ち込めます。
コードの滑りが悪くなかなか針を外せません。
嫌な予感がしてきました。
でも、このまま進めます。
最初の段は大抵編みにくいものです。なんだかいつもより編みにくいけど頑張って一週目(一段目)を編みました。
次は二週目。
……(-“-;)
あぁ!もう!!
コードの滑りが悪すぎ!
針自体もちょっと滑りは悪いけど、ここはまぁ目を瞑ることができる程度。
しかしコードは我慢できません。
コードの滑りが悪くて糸の送りがうまくできずに引っかかります。
ストレスが溜まってしょうがない。
大好きな編み物で、なんでこんなにイライラしなきゃいけないのでしょう。
2週目にして100均輪針を使うことをやめます。
結論は、編めるけど経験者の人にはサブとしてもオススメはできません。
やはり、他の道具を使ったことがないならば、「こんなもんかぁ」という感じで使うことはできるかなぁ。というところです。
でも、予算があったらちゃんとした輪針を買いましょう。
100均とふだんの輪針を比較
ではここでわたしがふだん使っている輪針と、100均の輪針を比較してみましょう。
ふだんメインで使っているのはニットプロのシンフォニーウッド。
KnitPro専門店 nanatsumugi
サブで使っているのはクロバーの匠の付け替え輪針。
Clover
実物を比較してみましょう。
見るからにダイソーのコードが太いです。
でも太さよりも、問題はどうやら材質。
ダイソーのコードはなんとなく、ペタペタします。
そこでそれぞれの針のコードスペックを調べます。
コードの素材 | 太さ(直径:mm) | 円周(単位:mm) | 針の素材 | |
---|---|---|---|---|
ダイソー | 塩化ビニル | 3.0 | 9.42 | 竹 |
ニットプロ | ナイロン | 1.8 | 5.65 | 木(樺) |
匠 | ナイロン | 1.2 | 3.76 | 竹 |
※ニットプロのコードは他にもラインナップがあります。今回は紫色のコードです。※円周は円周率を3.14とし小数点第3位以下切り捨て
ではコードの素材に注目してください。
塩化ビニルって、子供の頃に使ったプールバックとか浮輪とかビーチボールの素材ですよ。
そりゃ、ペタペタしますよ。
ダイソーの輪針を好意的に見るなら、針自体は経年劣化した匠と同じくらいの滑りです。
でもコードの滑りだけはどうにも悪いです。
では、円周にも注目します。
圧倒的に大きいです。
この数値が何を表しているかというと、数字が大きければ大きいほど編み目と触れる面積が大きくなり摩擦力が大きくなります。
素材だけでも滑りが悪いのに、太いことによってさらに滑りが悪くなっているのです。
これはやはり、コストの問題でしょう。
100均はやはり100円なのです。
まとめ
100均のかぎ針レビューと同じように「編めるけど、ちゃんとした道具を買ったほうがいいよ。」という結論にします。
あの忌々しいウィルスのおかげで経済的に大きな打撃を受けている人がたくさんいる中、趣味にお金をかける余裕がない人も増えていると思います。
また少ないお小遣いからどうにかしたいお子さんのためにも「100均でも大丈夫だよ」言いたいのですが、なんとも言えません。
このレビューを読んだ上で、100均グッズから初めたり、すでに100均グッズで初めて「どうしてもうまくできない!」となったとしたら、それは「あなたに編み物が向いていないのではなく、道具が悪いのよ」と言っておきます。
余裕があるときにぜひともちゃんとしたメーカーの道具に買い換えましょう!
ダイソーは100円です。
今回使ったダイソーの輪針と同じ長さのコードの輪針は、クロバーだと1,000円は超えます。
こうやって比較すると確かに「高いなぁ」と思いますが、長い目でみたらこの値段以上の価値があります。
手芸用品店のセールを狙えばもう少し安く購入することもできます。
一気に上達した気分になれます。道具だけはちゃんとしよう。