計算プログラムで自分サイズのセーターを編む方法【前編】

制作記録

この記事は2019年10月24日に公開した記事をリライトしました。

手編みの作品をイメージ通りに仕上げるためにはまずゲージをとりますよね。

そのゲージがレシピと全く合わないことはありませんか?

指定糸で編んでいても人それぞれゲージが違うのが当然だし、自分で好きな糸で代用すればなおさらゲージは合いません。

今回はゲージがどうしても合わない場合のサイズの調整方法を紹介します。

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編みたいデザインと使用糸

今回の編みたい作品はmichiyoさんの書籍、【じっくり編んで永く愛せるニットのふだん着】から、くしゅくしゅプルオーバーです。

使用糸は個人で手染め糸を販売している人から購入した糸。
手染めのメリノウールで、太さは中細程度。

ふだんの私は編みたいものを決めてから、それに合う糸を決めます。

指定糸ではなく別の糸(代用糸)を使用するときにわたしにとって一番重要なことは、使用針の号数が同じであることですが、それは私がサイズ調整が苦手だからです。

これまでmichiyoさんデザインのレシピでは、使用する針サイズと、推奨の針サイズが同じ糸で代用して編めば、大きくゲージが違うことはありませんでした。

今回はどうしてもこの糸で編みたいと思ったのですが、糸が細くてどうしてもゲージが合いません。

せっかくだから、編みたいデザインを好きな糸で編めるようになろう!」ということで、全くゲージが合わない場合のサイズ調整に挑戦してみました。

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かんたんなサイズ調整とは

私が言う「どうしてもゲージが合わない場合」というのは、針のサイズを上げ下げしても合わない場合を指しています。
ふだん行っているかんたんなサイズ調整の方法は以下の2点です。

1.編む針の太さを替える

編み針を1号替えると編み目の大きさは約5%変わります。
基本のセーターをMサイズとした場合、基本よりも2号細い針で編むとSサイズ、2号太い針で編むとLサイズくらいになります。ですが、あまり針のサイズを替えてしまうと風合いが変わってしまいます。

2.糸の太さを替える

編む糸を元の作品の糸よりも太くしたり、細くしたりすることでサイズを調整します。
並太タイプの糸で編む女性用のセーターを、同じ編み方で極太タイプの糸で編むと男性用のセーターに、合太タイプの糸で編むと子供用のセーターの大きさに編みあがります。
※参考文献:編み物のかんたんなサイズ調整と製図と割り出しの基礎/日本ヴォーグ社

今回は使用する糸は決めているので2の方法では調整できません。
編む針の太さを替えて調整する方法を考えましたが、ゲージを取ってみたところ指定の針で編むと基本のゲージより小さくなりました。針を1号太くするも、編み地がスカスカになってしまいます。

そこで計算アプリ等を使って、自分用サイズにカスタマイズすることにしました。

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仕上がりサイズを決めて計算する

まずはゲージをとります。

今回使用する糸にはそもそも推奨の針サイズの記載がなかったので、まずレシピで指定されている5号棒針で10cm四方のゲージをとりました。

指定ゲージ:メリヤス編み 24目×30段
自分ゲージ:メリヤス編み 27目×36段
わたしのゲージの方が10cm四方に入る目数も段数も多いです。
つまり、このまま編めば小さく仕上がるということになります。

試しに1号太くすると編み地がスカスカになりましたので、指定の5号棒針で編むことにします。

しかしそうすると、仕上がりサイズに対して何目、何段編むのか計算しないといけません。
そこでゲージから数値を割り出せる計算アプリ等を探しました。

見つけたのはハマナカが配信しているアプリ【ニット電卓】と、Chieさんという方が運営している手編み勉強室というブログにて公開されている棒針用プログラムを活用することにしました。

仕上がりサイズを決める

まずレシピを見て、仕上がりサイズを確認します。

結果、バストサイズだけ少し大きくしたい思いました。

元のサイズでも着用できますが、少しゆとりが欲しいので+6cmにします。
それ以外はレシピ通りのサイズにします。

仕上がりサイズに合わせて目数、段数を割り出す手順

仕上がりの数値を決めたらニット電卓に入力しますが、入力する前に作品を編む手順を確認します。

身頃を輪に編む > 左右の袖をそれぞれ輪に編む > 袖と身頃を合体 > ヨークを編む

しかしこのアプリは基本的な、身頃、袖を往復編みをする、クルーネックセーターの形でしか入力できないようですので、上記で確認した手順に沿って必要な項目を埋めていきます。

身頃で必要な数値は『ゴム編み』と『身幅/わき丈』なので、それぞれのボタンをタップして必要な数値を入力します。
すると画像のように、仕上がりサイズと目数が表示されました。

また袖のデザインもアプリだと基本的なセーターの形の、肩から袖口にかけて自然に細くなっていくようなデザインですが、今回編むのは肩から肘下にかけてゆったりしていて、肘下から袖口までは細目のデザインです。

なので入力する数値は肩から肘下までと、肘下から袖口の二つに分けて入力します。

肩から肘までの増し目の計算

画像左側の、『よこ』の欄は袖の膨らみ具合、『たて』は袖の長さになります。
たての数値は肘から肩までの長さです。
『よこ』と『たて』の欄に数値を入れて『計算』ボタンを押すと増し目の計算結果がでます。

この計算結果は、往復に編んだ時の片側の結果になりますので、実際に編むときは左右の両側で同じように増し目をします。

そして肘から袖口にかけての数値は、棒針用計算プログラムを使います。

計算プログラムでの計算結果

『10cmのゲージ(目数or段数)』の欄に取ったゲージの数値を入れます。
ゲージは36段だったので、『36』と入力しますす。
出したい寸法(cm)肘下から袖口までの長さで、10cmにしたいので『10』と入力。
※今回はたまたまゲージを取った10cm四方と、肘下から袖口までの長さが同じなので入力した数値と計算結果もゲージと同じ数値の『36』となっています。

これで編み始めるために必要な数値は割り出せました。
しかしここで一つ問題があります。

アプリで計算した袖口のゴム編みの目数が『51目になっています。
一目ゴム編みで輪に編んでいくので作り目が奇数になると、編み始めと編み終わりが表編みとなり一目ゴム編みにならなくなります。
そこで作り目は『52目』とします

このように、あくまで計算するだけの機能なので、数値を割り出したあと適宜調整は必要になるようです。

必要な数値を計算した結果、このようにレシピに赤入れをしたりノートにまとめたりします。

この時点でかなり混乱してしまったのでヨークの分散減目は後回しにして、とりあえず編み始めることにしました。

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ニット電卓と編み物ゲージ計算プログラムを使ってみて

ニット電卓も編み物ゲージ計算プログラムも、ある程度ウェアを編んだ経験がないと難しいでしょう。

ニット電卓の方は、作品を登録するときに一番初めにゲージを入力するのですが、ゲージを後から編集することができないので、新しく作品登録し直さないといけません。

ニット電卓と編み物ゲージ計算プログラムを併用していて数値の違いが出て「なぜ?」と思ったら、ニット電卓で登録したゲージが間違っていて、間違ったゲージで割り出した数値で編んでしまっていました。

計算自体はニット電卓も編み物計算プログラムも同じ結果が出ますので、バグはないと思います。

現時点では、ニット電卓一つだけではサイズ調整の数値の割り出しは難しいと思います。
便利な時代にはなりましたが、他のアプリやプログラム、誰かのアドバイス、自身のスキルを総動員して一生懸命考えないとダメなんですね。

知恵熱が出そうになりました。

前編ではここまで編むことができました。
後編へ続きます。

計算プログラムで自分サイズのセーターを編む方法【後編】
この記事は2019年11月20日に公開した記事をリライトしました。 計算プログラムで自分サイズのセーターを編む方法【前編】の続きです。前編は、身頃と袖を合体したところで終わっていましたね。

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