モヘアの水通しのやり方

ハウツー

ふわふわした手触りが魅力のモヘア。

「モヘアの仕上げってどうやればいいの?」
そんな疑問を持つ人も多いのではないでしょうか

実は、以前も仕上げについて書いた記事があります。

そしてちょっと間抜けな話ですが、このTALISを編んだとき、私はずっと「モヘア」だと思い込んでいたものの、実はアルパカでしたw

今回は本当にモヘア。
初めての“モヘア仕上げレポート”をお届けします。

注:この記事の実演では洗濯ネットを使っていませんが、予洗いからすすぎまでは洗濯ネットを使用するのが良いと思います。

モヘアの正しい仕上げ方

改めてモヘアの水通し・仕上げについて調べてみると、わたしが信頼している 60ろくまるさん(プロ)のブログ「KNITLABO BLOG」に、非常に詳しい記事を発見しました。

縮絨(しゅくじゅう)・水通し(みずとおし)の仕方。手編み物 編んだ後の仕上げ方法・洗い方。 | KNIT LABO BLOG

どうやらモヘアに限らず、基本の仕上げ方はこの手順が正解のようです。

簡単にまとめると、

  1. スチーム
  2. 予洗い(洗剤なし)
  3. 本洗い(洗剤あり)
  4. すすぎ
  5. 脱水
  6. 乾燥

この流れが “正しい仕上げ”

特に予洗いでは、

37〜40℃のお湯に30分〜1時間ほど漬け置く
※洗剤は入れない
縮絨・水通しの仕方。編み物 編んだ後の仕上げ方・洗い方。

というポイントが重要だそう。

この工程を怠ると、

  • 毛玉になりやすくなる
  • 洗剤が浸透しにくくなる

とのこと。

なるほど、確かに大事そう。

ということで今回は、プロの方法に沿って、編みたてのモヘアセーターを丁寧に仕上げていきます。

モヘアのセーターの水通し

今回仕上げる作品はこちら。

amuhibiknitさんの【ite セーター】。

使用糸:

  • Isager Kid Silk Mohair
  • Isager Highland Wool

スチーム(アイロン)を当てる

これまで水通し前のスチームを知らずに飛ばしていましたが、今回は大事なモヘア。表・裏とも丁寧にスチームを当てます。

スチームを当てているところ

予洗い

まずは洗剤なしの予洗い。

外は9度。室内はエアコン設定19度ほど。
温度が下がりやすいので、我が家の給湯温度の上限「43度」で桶にお湯を張り、1時間放置します。

予洗いの浸け置き

1時間後、お湯を捨てると──

浸け置き1時間後

特に汚れが浮いている感じはありません。

本洗い

新しいお湯に洗剤(エマール)を入れ、押し洗いします。

洗剤を入れた状態

60ろくまるさん曰く、

油分が多い糸だと洗剤を入れた瞬間に汚れが“わっ”と出てくる

とのことですが、今回は特に変化なし。

洗剤入れた状態の拡大画像

そして、ちょっと分かりにくかったのがこの説明。

3回くらい押し洗いをします。こすったり、絞ったりせずに優しく優しく押してください。
縮絨・水通しの仕方。編み物 編んだ後の仕上げ方・洗い方。

最初は「セーターを3回押すだけ?」と思ったのですが違いますよね?

「洗剤入りのお湯で押し洗い → お湯を捨てる」を3回繰り返すという意味だと解釈し、そのとおりに3回繰り返しました。

すすぎ

目につく汚れが分からないので、泡が浮かなくなるまでお湯を交換してすすぎます。

すすぎ完了

今回は4回の交換でクリア。

すすぎの回数は糸によって変わると思います。

脱水

参考記事では洗濯機の脱水を推奨されていますが、今回はあえて手絞りで。

桶のお湯を捨て、セーターを桶の壁に押し付けるように水分を取り、
そのあとバスタオルに包んで1時間ほど置いて脱水。

バスタオルを使った脱水

乾燥

室内で平干し。

平干しの様子

エアコンの乾燥が強い冬場の室内干しでしたが、約2日で乾燥。

「モヘアは水通しでフワっとする」と聞いたことがあったのですが、今回は仕上がりの変化があまり感じられず…。

スチーム仕上げ

60ろくまるさんによると、

クッションに乗せてスチームを当てるときれいに仕上がる

とのことで、猫用クッションを使用。

猫毛がつかないようシーチングを敷きました。

クッションを利用した仕上げのスチーム

アイロン台より断然やりやすいです。

まとめ

モヘアのセーターを編むのは今回が初めて。

これまでは何となく自己流で水通しをしていましたが、プロのやり方で丁寧に仕上げてみた結果、特に難しい工程はなく、しっかり扱ったという満足感が残りました。

変わったポイントはこの3つ:

  • 水通し前のスチーム
  • 予洗い(浸け置き)
  • 本洗い(3回の押し洗い)

仕上がりは──

形や模様が整ったものの、期待していた“フワフワ感”はあまり変化なし。
この糸の特性かもしれません。

参考記事には、

アルパカ・モヘア・カシミヤなど良い素材は、洗うほど風合いが良くなる

とあったので、今後の洗濯でも変化が出るかもしれません。

さいごに。

もし「モヘアって水通ししていいの?」と迷ったら、
答えは YES(したほうが良い) です。

怖がらず、やってみてくださいね。