見直しましょう!ニッター&クロシェッターとしてのモラルとマナー

お役立ち

先日驚きのXで少し気になる投稿を目にしました。

それは、販売店の試し読みスペースで編み物をしている人を見かけた、という内容でした。
いわゆる「立ち読み」ならぬ「立ち編み」です。

この投稿を見て、私は少し考えさせられました。
なぜなら、編み物に限らず、誰かが大切に作ったもの・販売しているものをどう扱うかは、私たち一人ひとりの姿勢が問われる場面だからです。

試し読みが許されている場所であっても、購入していない書籍の編み図を使って実際に編む行為は、少なくともグレーゾーンに感じられます。
多くの人は、はっきり言葉にされなくても「これは控えたほうがよさそうだな」と感覚的に理解できるのではないでしょうか。

ただ、世の中にはさまざまな価値観や背景を持つ人がいます。
「どこが問題なのかわからない」という人がいる可能性も否定できません。

そこで今回は、編み物を楽しむ人として、そして一人の大人として、モラルとマナーについて改めて考えてみたいと思います。

モラル:倫理や道徳意識という意味である。わかりやすく言うと、日常生活に即した道徳的に正しい行動のことで、世代や状況によって変化するマナーとは異なる、普遍的な基準ということである。法的な根拠を持たない、道徳的、倫理的な基準である。また、人間関係における善悪を判断する感性という意味も持つ。英語では moral と表現される。

引用:weblio辞書

マナー:「manner」とは、方法ややり方、態度や振る舞い、作法や礼儀などを指す英単語である。具体的には、人が物事を行う際の手法やスタイル、または人間関係における様子や態度を表す。さらに、社会的な規範や慣習に則った行動や態度も含まれる。

引用:weblio辞書

これってどうなの? ― ニッター・クロシェッター以前に

冒頭に取り上げた『立ち編み』について詳しくはこちらから追ってください。

試し読みスペースで本を開きながら編み物をする――
書店なのか手芸店なのかは分かりませんが、少なくとも多くの人が「違和感」を覚える行為ではないでしょうか。

この件について、似た事例や法的な観点を調べてみました。


1)販売商品を購入せずに使用すること
→会計前の商品を使用または開封した場合は窃盗罪?
近そうな事例:未会計商品を勝手に開封した場合の罪

ただしこの件は試し読みコーナーでの行いであり、包装されていた書籍ではないようなので窃盗罪にはならないのかも知れないですね。

2)特定ページを繰り返し開いて商品を劣化させる可能性
→損害賠償責任を負う
近そうな事例:お店で客が商品を精算する前に床などに落として破損させた場合

この事例はわざとじゃないですが、わざとではなくても賠償責任を負う可能性があります。


試し読みが許可されている場合でも、商品を長時間占有したり、使用する行為が許可されているとは限りません。
実際に、お店の方が注意しているのであれば、その時点で「お店としては認めていない行為」だと分かります。

また、この投稿へのリプライには、ジャンルは違えど同様の経験をした作家さんの声もありました。

「本を買わないと作れないんです、とお伝えしても理解してもらえませんでした」

このような話を聞くと、価値観の違いの大きさを感じます。
ただ、リプ欄では多くの人が「それはおかしい」と感じていた点には、少し安心しました。

試し編みは、試し読み以上に本を独占する行為でもあり、他のお客さんの利用機会を奪うことにもなります。
もし、これまで深く考えずに同じようなことをしていた方がいたら、これを機に立ち止まって考えてみてほしいと思います。

シンプルに考えよう|自分がされて嫌なことは人にしない

編み図や作品の販売禁止については明確に書かれていても、「立ち編み禁止」とはっきり書かれていない場合もあります。

ですが、細かいルール以前に、もっとシンプルに考えられる視点があります。

それは、

「自分がされて嫌なことは、人にしない」

という、とても基本的な考え方です。

例えば、自分が時間とお金をかけて作った成果を、誰かに無断で使われたり、価値を軽く扱われたらどう感じるでしょうか。

きっと、気持ちのいいものではありませんよね。

著作権や知的財産権といった難しい話を持ち出さなくても、
「もし自分だったらどう思うか」を想像するだけで、多くの行動は自然と選別できるはずです。

本が一冊完成するまでには、デザイナー、テストニッター、編集者、印刷・校正に関わる多くの人がいます。
販売店もまた、仕入れにお金を払い、生活の糧として商品を扱っています。

販売されているものは、誰かの時間と努力、そして生活につながっています。

利用したいなら、きちんと購入する。
購入が難しいなら、図書館を利用する。

それも立派な選択肢です。

まとめ

今回この話題を取り上げたのは、決して誰かを責めたいからではありません。

迷惑行為は、想像力が少し足りないだけで起こってしまうこともあります。

ここ数年でいっきに日本は経済的に余裕がない人が増えました。

貧すれば鈍するという言葉があるように、判断に余白が持てない状況の人もいるかもしれません。

編み物は、決して安い趣味ではありませんが、工夫次第で出費を抑えることもできます。

当ブログでは、無理のない範囲で編み物を楽しむための方法も紹介しています。
よければ、そちらも参考にしてみてください。

編み物が、誰にとっても気持ちのよい趣味であり続けるために。
一人ひとりが、少しだけ想像力を持てたらいいなと思います。

関連記事

ここまで、「自分がされて嫌なことは人にしない」という視点から、モラルやマナーについてお話ししてきました。

ただ、感覚や気持ちだけでは判断が分かれてしまう場面もありますよね。
「これはアウト?それともセーフ?」と迷うこともあると思います。

そこで次の記事では、著作権という法的な視点をもと、
編み物に関して「やっていいこと」「やってはいけないこと」を整理しています。

モラルやマナーをより具体的に理解するための補助線として、あわせて読んでみてください。