指定糸以外で編みたいときの代替糸の決め方と必要量を知る方法

編み物初心者

編み物にあまり慣れていない人から「指定糸が高くて手を出せないし、だからと言ってどんな糸で代用したら良いのかわからない。」というお悩みを聞きました。

指定糸で編むことの方が少ないわたしには、気がつきもしないお悩みでした。

そこにつまづき編み物のハードルが高いと感じて、編み物を始める機会を失うのは非常にもったいないです。

ということで今回は、滅多に指定糸を使わないわたしがどのように代用する糸を決めているのか、代用糸を決めるためのポイントと、必要量を知る方法を実例を元にご紹介していきます。

代用糸を決めるためのポイントだけを知りたい人は、さっと見てさっそく糸を探しにいきましょう!

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代替糸(代用糸)を決めるためのたった1つのポイント

「どんな糸で代用したら良いのかわからない。」との声を聞いたとき「好きな糸で編めば良いんだよ。」なんて思いましたが、そもそも経験が浅ければ触れている編み糸の種類も少ないんだから、好きな糸自体がまだよくわらないという人もいるんですよね。

そんな人には、たった1つだけポイントをお伝えします。
それがこれ↓

指定糸と同じくらいの太さの糸にすること

「これさえ分かればあとは自分で考える!」という人はこの記事はここで離脱しても大丈夫です。

でも「まだわからないことばかりで不安…。」という人はここからが長いですが、ちょっと頑張って読んでみてください。

なぜ太さを合わせることがポイントになるのかをこれから解説します。

太さを合わせることをポイントにする理由

ここではまず前提として、レシピにアレンジを加えずにレシピ通りに(目数段数も指定通り)編むこととして話を進めます。

太さを合わせることで、難しいサイズ調整による計算が不要になります。

ゲージは人それぞれ違うので不要になるというのは少々言い過ぎですが、指定糸と同じ太さであればゲージに大きな差は出ないと思います。
※デザイナーと自分のゲージがかけ離れている場合は大きく差が出る場合もあります。

ゲージが1〜2目とか1〜2段程度であれば、編み針を1〜2号細くしたり太くしたりで調整できますし、仕上げの水通しやスチームでも調整できます。

しかし太さが大きく違うとそうもいきません。

指定糸とかけ離れた太さの糸で編んだらどうなるの?

指定糸より細い糸で編んだ場合…

糸の細さに合わせて編み針も細くすると当然編みあがりは小さくなります。
仕上げたいサイズより小さくなるので着用できないかもしれません。

次に糸は細いけど編み針を指定の太さで編んだ場合、編み目がゆるくなりスカスカになります。
経験が浅い人ですと糸を引く力加減も定まっていないことが多いので、編み目が整わず見た目も良くありません。
※デザインとしてゆるめの編み目の場合もありますけどね。

指定糸より太い糸で編んだ場合…

糸の太さに合わせて編み針も太くすると編みあがりは大きくなります。
ウェアを編みたい場合、大きければ体は入るので着用はできますが大きすぎると袖が邪魔だったり重かったりします。

次に糸は太いけど編み針を指定の太さで編んだ場合、編み目がきつくなり固くなります。
ニットはあまり固いと着心地がよくありません。

中級〜上級者であれば、細い糸を引き揃えて太さを合わせたり、ゲージから必要目数・段数を割り出すことができますが、この方法は慣れていないと難しいです。
そしてめんどくさいです。

ですので、指定糸と同じ太さの糸にしましょう。

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実例 代替糸の決め方と必要量を知る方法

それではこれから実際にわたしが指定糸を使わずに代用糸で完成させたセーターを元に、糸の決め方と必要量を知る方法を紹介します。

今回例にあげるのはこちらのセーターです

ニットマルシェ2019秋/冬 vol.24 から風工房さんデザインのラグランセーターです。

代用糸の決め方

代用糸を決めるには、指定糸がどのような糸かを知る必要があります。
ここを抑えることができたら、代用糸を決めることが難しくなくなります。

代用糸を決めるための情報をまとめる

代用糸を決めるためには、まずレシピに記載されている指定糸と使用する編み針のサイズを確認します。

この情報が代用糸を決めるための大切な情報になるのでメモしましょう。

指定糸:ごしょう産業 Grandir(グランディール)オリーブ(9)465g
使用針:棒針10号、8号

糸の太さを合わせるために使用針を確認します。

使用針は、棒針10号と8号です。
二つのサイズの棒針を使用しますが、編み図を確認すると裾・袖口・衿に8号針を使用し身頃と袖の本体に10号針を使用します。

この場合なら10号の棒針に適している糸を替わりにすればOKです。

これだけでも代用糸を決定するには事足りますが、もう少しだけ情報を足した方がより確実です。
その理由はデザイナーがデザインする際に仕上がりの風合いまでを考えて、糸に適しているとされるサイズの針よりも太い針(または細い針)を使用してデザインする場合もあるからです。

そこで上記で調べた指定糸の情報を詳しく調べます。
今はほとんどの編み糸はインターネットで検索すればすぐに見つかります。

試しに『ごしょう産業 Grandir』を検索してみます。

すると幾つかの検索結果が出てきますので、どこかを覗いてみましょう。
販売元(今回はごしょう産業)のオフィシャルサイトでも良いですし、Amazonや楽天市場等のショッピングサイトでも良いです。

今回は販売元が楽天市場に出店している毛糸のピエロさんより情報を引き出します。

ここで必要な情報は、指定糸=Grandirの使用針1玉あたりの長さと重さです。

この情報をメモします。

使用針:7号〜9号
1玉あたりの長さ:約72m(重さ40g)

どうでしょう。
使用針は10号と8号で、本体に使う針は10号です。
指定糸の使用針より少し太い針を使用していますね。

今回のように実際に使用する針が、指定糸が示す使用針より細かったり太かったりすることはよくあることです。

このような場合は7号〜10号で編める糸の中から替わりの糸を決めることにしましょう。

代用できる糸かを確認する

それでは編みたいと思っている糸で代用できるかを確認しましょう。

ここで確認するのも使用針の太さと1玉あたりの長さと重さです。
使用針と1玉あたりの長さの確認は毛糸玉についているラベルで確認できます。

使用針:7〜9号
長さ:約62m(30g)

使用針は指定糸と同じです。
この糸なら問題なく代用できます。

必要量を知る方法

代用糸を決めたら次は「何玉必要なの?」となりますよね。

その疑問を解消するヒントが1玉あたりの長さと重さです。
レシピを確認すると必ず使用する糸の重さが記載されています(長さの場合もあります)。

代用糸で編む場合、必要量を知るためには重さはあまり参考になりません。
それは素材によって同じ長さでも重さが違ってくるからです。

指定糸で編んだ場合に必要な長さを確認する

上記でメモした指定糸の使用量は465gでした。
指定糸の情報を確認すると、1玉あたり:約72m(重さ40g)

これを元に指定糸で編んだ場合、まずは何玉必要かを計算します。

使用量(465g)÷1玉あたりの重さ(40g)=11.625

この計算式の答えが必要な玉数です。
小数点以下は繰り上げましょう。

すると指定糸で編んだ場合に必要な毛糸玉は12玉となります。

これを長さに置き換えます。

1玉の長さ(72m)×必要玉数(12玉)=指定糸で編む場合に必要な長さ(864m)
※先の計算で繰り上げた数値を玉数に置き換えているので実際はもう少し短いです。

指定糸で編む場合に使用する長さがわかったら、次は替わりの糸の長さを元に必要な玉数を計算します。

今回代用する毛糸は、1玉あたり:約62mです。
指定糸で編む場合に必要な長さは864mなので、このような計算式になります。

指定糸で編む場合に必要な長さ(864m)÷替わりの糸の1玉あたりの長さ(62m)=必要玉数(13.935…)

小数点以下は繰り上げますので、替わりの糸で編んだ場合に必要な玉数は14玉になります。
こうやって必要な玉数を計算したら、実際に準備するのは1〜2玉ほど多めに準備しましょう。

これで代用糸を決めることができるようになるはずです。

指定糸を使用するにしても、代用糸を使用するにしても、編む人によって編み地の仕上がりサイズが違うことには変わりはありません。

糸を決めたらゲージはしっかり確認しましょう。

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まとめ

長くなりましたが、まとめるとこうなります。

替わりの糸の決め方 → 指定糸と同じ太さの糸にする
必要量を知るには → 長さを計算する

代用糸の決め方と、手持ちの糸で編めるかを確認する方法は同じです。

こうやって文字にすると長くなって「難しそう」と感じるかもしれませんが、考え方が理解できるといろんなものが好きなように編めるようになります。

このようにじっくり考えて決めた代用糸で編んでみても「これじゃない」と思うこともあるでしょう。

編み物はトライアンドエラーです。
プロのデザイナーたちも何度も解いて編みなおしています。

編み物の経験が浅いならばうまくいかなくて当たり前です。
失敗かもしれないと思っても編んでいる工程を楽しみましょう。

選んだ糸が失敗だなぁと思ったら解いて別のものを編みましょう。

何かが気に入って選んだ糸です。
別のアイテムに生まれ変わったらお気に入りの一品に変わります。

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おまけ

お手軽価格で毛糸が替える運営者お気に入りのお店をちょこっと紹介します。

毛糸のピエロ
今回のセーターの指定糸の販売元が運営しているショップ。
セールの情報をマメにチェックしましょう。
元から割とお手頃価格なのですがセールで購入するとかなーりお得です。

オカダヤ
店舗によって品揃えは違いますが、ワゴンに10玉¥1,500〜¥2,000のパックがあります。
今回の例にあげた糸はそれです。
ざっと計算したら材料費は¥3,000かかっていないかも?

ユザワヤ
オカダヤと同じように、ワゴンに安いパックでまとめ売りされています。

100円ショップ
近隣のダイソー、Can Do(キャンドゥ)、セリアにはかわいい糸がたくさんありました。
ちなみにCan Do(キャンドゥ)の毛糸の販売元を確認したらごしょう産業でした。
上記の毛糸のピエロと同じ会社なので品質も問題なさそうです。

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