かぎ針編みで細編みをして、輪にして筒状に編むと段の切り替え部分に筋ができますよね。
引き抜き編みが横向きの筋になって、縦に並んでいくのでそれが一直線に並んで「ここが段の切り替えです!」と主張されている感じがします。
これ、気になっている人いませんか?
わたしはなんとなく気になっていたのですが、「そういうもの」として気にしないようにしていました。
しかしある方法を取り入れてから、筋が無くなりました。
今回は細編みで筒状に編むときに生まれる段の切り替えの筋が目立たない方法を紹介します。
過去作品の細編みのバッグの悪い例で見る美しくない段の切り替え
悪いというほどのものではないのですが、あまり美しくない過去の作品のクオリティを確認してみましょう。
編み込み部分がくびれているのはわたしがへたくそなだけです(/ω\)
細かいクオリティは置いておいて、段の切り替えがどうなっているか確認しましょう。
段の終わりの引き抜き編みが横向きの筋になっていて、立ち上がりの部分が段の切り替えポイントして目立っています。
これを編んでいるときは「こうなるのは仕方ない」と、クオリティをあげることを放棄していました。
しかしつい最近、かぎ針編みで筒形のバッグを編んでいる時にタイミングよく解決方法に出会いました。
段の切り替えの立ち上がりが目立たない編み方
この方法はわたしがバッグを編んでいるときにニットデザイナーのmichiyoさんが紹介してくれた方法です。
改めて動画を撮ってみました。
ポイントは段の終わりの引き抜き編みのやり方にあります。
1)最後の一目を編むときに、引き出した糸を今編んでいる目と段の始めの目の頭を一緒に引き抜く。
2)引き出した目を段の始めの目の裏側から引き抜く
3)その後に立ち上がりを一目編んで、次の段の細編みをする
※この記事ではこの編み方を【新式】とします。
これまでの編み方はこうでした。
2)段の始めの目に引き抜き編み
3)立ち上がりを編む
※この記事ではこのこの編み方を【旧式】とします。
この編み方だと引き抜き編みの線(筋)ができていました。
(上の(※)の画像参照)
それが動画の編み方に替えたらこうなりました。
本当はこういう出来上がりを比較する場合は、同じ糸で同じものを編んで旧式の編み方と新式の編み方をするべきですが、時間がなかったので別の作品との比較でご容赦ください。
引き抜き編みの横向きの筋が見えなくなりました。
また、立ち上がりも見えません。
ちなみに立ち上がりは編み地の裏側(筒の内側)にあります。
旧式の編み方と新式の編み方で編んだものを並べてみました。
新式で編んでも段の終わりの目が若干大きいので傍目からも「ここが段の切り替えね。」とわかってしまいますが、変な線というか筋が入っていたこれまでの編み方よりはキレイかなと思います。
ただし、この方法はどんな場面にでも使えるかと聞かれたら、そうは問屋が卸さない。
まずは成功(?)した方のバッグの底です。
これは新式で編んでいます。
新式編んだ正円です。
段の終わりの目は大きくなっていますが整然と一直線に並んでいるからかそんなに変な感じはしません。
そしてもう一つ別のバッグの底です。
丸みを帯びた★の形です。
糸はエコアンダリヤを2本取り。
黒なので非常に分かりにくいと思うのですですが、左が新式で編んだもの、右が旧式で編んだものです。
★の方は、今回提唱した編み方で編んだ方が段の終わりの目が不自然ですね。
これならば従来通りの引き抜き編みの筋と立ち上がりの線が見える編み方の方が気になりません。
このように、編む形、素材、編み方によって有効かどうかは変わるようです。
編み癖は人それぞれなので、この解決方法は一例に過ぎないと思いますが、同じように悩んでいる人は一度試してみてください。