何度も言いますが、わたしの基本的な考えは「道具にはお金をかけよう。」です。
しかし、少ないお小遣いの範囲でやりくりしないといけない小・中学生だっているでしょうし、続くかわからない趣味のために最初からお金をかけることを躊躇する人もいるでしょう。
そんな思いでこれまでにも「100均の編み針でもちゃんと編めるのか」という趣旨のレビュー記事を書いてきました。
朗報です。
玉付き2本棒針は使えます!
100均のかぎ針のレビュー記事はこちら
100均の輪針のレビュー記事はこちら
両方とも結論としては『100均の編み針でも一応編めるけど、もっと良いものを使った方が良いよ』です。
でも、玉付き2本棒針はふつうに編めました!
今回もこれまでのレビュー記事と同様に、手持ちの針と比較しながら実際に編んで100均の棒針の編み心地と品質をレビューします。
手持ちの棒針と100均の棒針
初めて編み物をする人の中には、編み針の種類にどんなものがあるのか分からない人もいますよね。
今回使った針は『玉付き2本棒針』と言いますが、これは棒針の中の一つで、詳しくは以下の記事にまとめています。
棒針編みと言ったら玉付き2本棒針をイメージする人が多いのではないでしょうか。
片方の先端が尖っていて、反対側の先端に玉(目が落ちないための滑り止め)が付いている棒針が、玉付き2本棒針です。
手持ちの棒針と100均の棒針 それぞれの特徴
手持ちの玉付き2本棒針は、上記の画像の上の針weareknittersの5mmの針です。
対して今回使ってみる100均の棒針は、上記の画像の下の針ダイソーの棒針で10号。
そして、これが販売されている状態のダイソーの棒針です。
これを見るとダイソーの針の表記がおかしいです。
どこのメーカーでも棒針10号の太さは5.1mmなのですが、5.0mmになっています(JIS規格じゃないんですかね)。
表記上は0.1mmの差がありますが、手持ちの棒針ゲージに通すとweareknittersの棒針もダイソーの棒針も10号の穴にぴったりなので、比較対象としては問題なしとします。
ちなみに10号を選んだ理由は、初心者が最初に編むには細すぎず、太すぎずちょうど良い太さだと思っているからです。
そして比較対象としてweareknittersの針を選んだのは、手持ちの玉付き2本棒針で、10号相当のものがこれしかなかったからです。
※ふだんは輪針で編んでいるので玉付き2本棒針はあまり持っていないのです。
それでは、それぞれの針の編むときに影響がありそうな特徴を、以下のようにまとめました。
weareknitters | ダイソー | |
---|---|---|
材質 | 木(ブナ) | 本体:竹 頭部(玉):木(ヒメツバキ) |
重さ | 4.9g/6.3g | 4.7g/4.9g |
長さ | 37.5cm | 33cm |
価格(税抜き) | ¥2,400 | ¥100 |
なんということでしょう!
編んでいて気にならなかったけど、重さに関してはweareknittersの針の方が左右差があります!
さて、検証結果はどうなるでしょうか。
同じ目数・同じ段数を編んで検証
同じ太さの針を使って、同じ糸でメリヤス編みをして、編みやすさはどうなのか、編みあがりはどうなのかを比較していきます。
それでは実際に編んでみます。
編むのはこの糸。
weareknittersのTHE COTTONです。
※検証にこの糸を選んだのは失敗かもしれません。色の出方で見え方が全然違います。
編み方は以下のようにします。
段数:最初の段を裏編み、以降メリヤス編みで36段
※作り目は段数に含めない
重さに左右差はありますが、糸がweareknittersならweareknittersの棒針の方が優勢のように思えます。
実際はどうでしょうか。
編んだものを目で比較する
実際に編んでみました。
パッと見た感じ、編み目に大きな差はありません。
ゲージを測ってみると、
weareknitters・ダイソーともに18目×24段
仕上がりサイズにも差はありません。
一番大事な編み心地は?
素晴らしいことに仕上がりに差はありませんでしたが、実際編んでみて編み心地はどうだったのかというと、問題なしです!
針のすべり具合も、編んでいるときの腕や手の疲れ方も差は感じませんでした。
ただ、ちょっとだけ気になったのは針の先端の尖り具合でしょうか。
わたしは針の先端は丸みがあるよりは、鋭い方が好みです。
比較してみると分かりますが、ダイソーの方が針の先端が丸いです。
針の尖り具合は人それぞれ好みがありますし、編み続けて初めて「わたしは尖っている(丸い)方が好き」と思うようになるはずです。
つまり、初心者がダイソーの玉付き2本棒針で編み物を始めるにあたっては何も問題はありません。
ここが残念 ダイソーの玉付き2本棒針
たった一つだけ「これが100円クオリティか…。」と思ったことがあります。
それは使う前から針が曲がっていることです。
試しに定規に当てて比較してみたのですが、ダイソーの針はかなり曲がっています。
ですが編んでいるときには全く気になりませんでした。
そして包装している袋の注意事項欄にも、しっかり明記されています。
針が曲がっていると言っても、名のあるメーカー品でも使っているうちに曲がることはありますし、折れることだってあります。
メーカー品とダイソーの針、それぞれの耐久性に関しては不明ですが、初めて編み物をする人が使う分にはダイソーでも問題はないでしょう。
weareknittersの針の価格2,400円に対して、ダイソーなら100円です。
ならばダイソーで十分です。
※念の為にフォローをするとweareknittersの針が高価格な理由は活動に理念にあると思いますし、キット購入なら棒針もお得に購入できます。
まとめ
やっと100均でも、編み針として使えるものを見つけることができました。
ずっとダイソーのもので検証し続けていて、かぎ針も輪針も、人にオススメできる代物ではありませんでしたが、玉付き2本棒針ならふつうに編めるので初期投資を抑えたい人には「使えたから、お試しとしては良いと思うよ」とはっきり言うことができます。
100円ショップは他にも有名どころでは、キャンドゥやセリアもあり、そちらでも編み物グッズは販売されています。
キャンドウやセリアなら品質も違っているかもしれませんので、試してみるのは悪くないと思います。
さて、今回比較対象としたweareknittersの針は割と高価格ですが、ちゃんとしたメーカーでもここまで高くはないです。
例えば、クロバーなら880円(税込/2021年5月10日現在、希望小売価格)ですし、ニットプロのシンフォニーウッドなら2,000円前後(税込/2021年5月10日現在、販売店によりけり)です。
そして、メーカー品でも価格と品質はピンキリです。
初めて棒針編みをするならば、ダイソーの玉付き2本棒針から初めて見るのは悪くないと思います。
ちなみに、比較対象としてweareknittersの針を使用しましたが、わたしがふだん使っているニットプロの輪針の方が断然使いやすいと思っています。
※weareknittersにも輪針の取り扱いがあります。輪針ならもっと使いやすかも?
使いやすい道具は人それぞれですが、編み物を続けようと思ったら、ぜひとも良い道具を使って欲しいです。
良い道具で編み物をすると編み物をする時間の幸福度が、ぐっと高くなると思います。