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みんな知ってた?「莫大小」の読み方と意味

編み物豆知識

うちの夫はわたしより若いのですが、妙に古い言葉を知っています。

ふと会話の中で『“ばくだいしょう”って知ってる?』と聞かれました。

莫大小とはメリヤスのことらしいです。

ニット製品(ジャージとかストッキングとか)をメリヤスと呼ぶことは知っていましたが、「ばくだいしょう」は知りませんでした。

そこで今回は「ばくだいしょう」という言葉について、もう少し掘り下げみようと思います。

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「ばくだいしょう」は間違い!正しい読み方はこれ

まずは軽くgoogleで検索してみると、こんな記事を発見しました。

莫大小の読み方と意味、「めりやす」と「ばくだいしょう」正しいのは?
このページでは「莫大小」の読み方と意味について簡単に解説しています。

あら、いきなり「ばくだいしょうは間違い」って言われました。

インターネットの情報は真偽不明なことが多いので、念のため我が家の辞典でも調べてみました。
すると以下のように記述されています。

メリヤス
「編物」のこと。
メリヤスは莫大小と記し、大小なし、つまり伸縮自在の生地を意味した。
引用元:最新・ニット辞典(チャネラー)-メリヤス

メリヤスという言葉を漢字で「莫大小」と書くというは、つまり莫大小の読み方は「メリヤス」ということになりますね。

この記事を書くきっかけになった「“ばくだいしょう”って知ってる?」という問いかけ自体が間違いだということになりますね。

夫が間違えて覚えていたのか、わたしを試したのか…。
後で聞いてみることにします。

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メリヤスを「莫大小」と書く理由

「莫大小」でなく「メリヤス」と読むことがわかったところで、『なんでメリヤスを莫大小と書くの?』と疑問に思いました。

その答えも前述の引用部分に含まれています。

メリヤスは莫大小と記し、大小なし、つまり伸縮自在の生地を意味した。

サラッと流してしまって気にも留めなかったけど、つまりこう言うことなんですね。

莫大小=大小なし=伸縮自在
→メリヤスは伸び縮みする特性があるから“莫大小”という字が当てられた。

ちなみに…。

メリヤスには音からの当て字で、“目利安”や“女利安”と表記されることもあり、メリヤスの語源は、スペイン語の【Medias】、ポルトガル語の【Meias】と言われていますが、定説ではないとのこと。

さらに【Medias】も【Meias】も「靴下」という意味で、日本に渡ってきた当時にはまだ靴はなかったので、「メリヤス足袋」と呼ばれていました。

参考:メリヤス/莫大小/目利安 – 語源由来辞典、新ファッションビジネス基礎用語辞典(チャネラー)、ファッション/アパレル辞典(繊研新聞社)-メリヤス

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「メリヤス」と「ニット」に違いはあるのか

メリヤスとニットは同じもの?

さて近年では、ファッションアイテムとしては「メリヤス」とは言わず「ニット」と言いますよね?

メリヤスは「莫大小」と書き、「大小なし」、つまり伸縮自在の布地を指す日本独特のことばで、今日多く使われる「ニット」(編み物)のことである。
引用元:新ファッションビジネス基礎用語事典(チャネラー)-メリヤス製造業

とありますので、メリヤスとニットは同じ意味であると言えます。

ですが、Wikipediaによると機械編みによる薄地の編物全般、肌着・靴下などの伸縮性を求める衣類全般、または伸縮する生地を広く「メリヤス」と呼んだとあるので、機械編みの製品を「メリヤス」といい、「ニット」だと手編み製品も含むのかもしれないですね。

しかし日本に渡ってきた当時はメリヤスと呼ばれていたのに、いつからニットと呼ばれるようになったのでしょうか。

メリヤスからニットへ呼称を変更

前述のとおり近年はメリヤスと言う人は少なく、年配の人の中には「メリヤス」と聞いたら、肌着を思い浮かべる人がいるかな?くらいの認知度かと思っています。
(義父がニット製造業者が多い地域の方なのでたまに「メリヤス」と言います。)

ではいつから「ニット」という言葉が定着したのかというと、以下のような記述を見つけました。

江戸時代にハイカラな外来語として広まり、1970年代まで多く用いられた。
1973年に「大阪メリヤス卸商業組合」が、「大阪ニット卸商業組合」と改称するとともに、全国にメリヤスの呼称をやめてニットと称するように呼びかけている。
参考:ファッション/アパレル辞典(繊研新聞社)-メリヤス

1973年に、大阪ニット卸商業組合(旧大阪メリヤス卸商業組合)が「ニット」という言葉を広めたとのこと。

当時は現在のようにインターネットもない時代。
大阪ニット卸商業組合が広めてから定着するまでどれくらいの時間がかかったのかは不明ですが、1973年以降に、呼称が変わったというのは間違いないですね。

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莫大小を“ばくだいしょう”と読むと思い込んでいた人の話

今回わたしが「莫大小」について調べるきっかけをくれた我が夫ですが、服飾の専門学校を卒業して、アパレル業界に就職し、繊維のJISハンドブックまで持っています。

そんな専門性の高い人が「メリヤス」を「ばくだいしょう」と間違えるものでしょうか?
それともわたしを試したのでしょうか?

ということで本人を追求しました。

わたし:ねぇ、莫大小って字は「メリヤス」って読むって調べたんだけど。

夫:え?

わたし:「ばくだいしょう」は間違いで、正しい読み方は「メリヤス」だって。

夫:そうなの?!

知らんかったんかw

どうやら、本人は本当に「ばくだいしょう」だと思っていたようでした。
曲がりなりにも繊維に関わる世界でお金を頂いていた時期がある人ですが、なぜにこのような思い込みがあったのでしょう?

ちょっと「莫大小」という字を知った背景を聞いてみました。

曰く…。

自分が育った環境(東京の墨田区界隈)は、ニット製造業者が多かったんだよね。
それで、父とのふだんの会話で「莫大小」って言葉があってね…。

もしかしたら父はそれをちゃんと「メリヤス」と読むことを知っていたけど、自分にはそこまで情報が入ってこなかったのかもなぁ。

周りの大人が「ばくだいしょう」と読んでいるのを聞いて、それが正解だと思っていたのかもね。
それに、業界の人じゃないと「メリヤス」って読むことを知っている人は少ないかも。
(君は業界の人では・・・?)

なるほど。

確かに端から当たり前・正解だと思っていることって疑問に思わないし、調べもしないですよね。

というわけで、繊維に関わる世界でお金を頂いていた人の知識を正しておきました。

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さらに生まれた疑問

編み物をする人ならば、「メリヤス」と聞いたら、表編みだけの編み地のメリヤス編みを思い浮かべませんか?

なんで表編みだけの編み地が、メリヤス編みと呼ばれるようになったのでしょうか。

メリヤスは莫大小と記し、大小なし、つまり伸縮自在の生地を意味した。

ならば、表編みと裏編みの編み地だって伸縮自在ならメリヤスじゃない?

なんだか沼にはまってしまいそうなので、この件はまたいつか調べてみようと思います。

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