先日驚きのtweetを目にしました。
それは販売店にて立ち読みならぬ『立ち編み』があったとの投稿。
この投稿を見たとき、ずいぶんと恥ずかしい人がいるもんだなと思いました。
何が恥ずかしいって、人並みの倫理観を持ち合わせていたらダメなことだと分ることをやっていることです。
試し読みが許されているとしても、販売書籍を買いもせずにタダで編み図を見て編むなんて図々しいにもほどがあります。
この行為に問題があるということは、良識ある多くの人なら明確な言葉にせずとも感覚としてお分かりいただけると思います。
ただ世の中にはたくさんの人がいますので、良識がない人も、良識があったとしてもこの件の何が問題なのかわからない人もいるでしょう。
いたからこういうことが起こったわけですし。
というわけで、今回は編み物をする人のモラルとマナーについて考えてみたいと思います。
モラル:倫理や道徳意識という意味である。わかりやすく言うと、日常生活に即した道徳的に正しい行動のことで、世代や状況によって変化するマナーとは異なる、普遍的な基準ということである。法的な根拠を持たない、道徳的、倫理的な基準である。また、人間関係における善悪を判断する感性という意味も持つ。英語では moral と表現される。
引用:weblio辞書
マナー:「manner」とは、方法ややり方、態度や振る舞い、作法や礼儀などを指す英単語である。具体的には、人が物事を行う際の手法やスタイル、または人間関係における様子や態度を表す。さらに、社会的な規範や慣習に則った行動や態度も含まれる。
引用:weblio辞書
これってどうなの?ニッター・クロシェッターというより人として
冒頭に取り上げた『立ち編み』について詳しくはこちらから追ってください。
フォロワーさんやそのご友人らにはいないと思うんだけどさ……
— くさむすび (@poketoka) July 22, 2023
今日、店で立ち読みならぬ『立ち編み』がありましてな(-_-;)
試し読みスペースで編み物本を見ながら棒針で編んでらっしゃって目玉飛び出るかと思った。
注意したら大変不服そうに製麺して舌打ちして帰りました。当然本は未購入(´-ω-`)
「試し読みスペースで編み物本を見ながら棒針で編んでらっしゃって」ということなので、書店か手芸店かは不明なのですが、これはマナーというか、良識というか、倫理観というか、うまく言葉にできないのですが、なしだと思います。
この行為の気になったことを、同事例を探してどのような罪になるのか、どのような責任を負うことになるのかを調べて見ました。
1)販売している商品は購入せずに使用
→会計前の商品を使用または開封した場合は窃盗罪?
近そうな事例:未会計商品を勝手に開封した場合の罪
ただしこの件は試し読みコーナーでの行いであり、包装されていた書籍ではないようなので窃盗罪にはならないのかも知れないですね。
2)特定のページを開き続けた(もしくは繰り返し開いた)ことにより劣化・破損し廃棄にさせる
→損害賠償責任を負う
近そうな事例:お店で客が商品を精算する前に床などに落として破損させた場合
この事例はわざとじゃないですが、わざとではなくても賠償責任を負う可能性があります。
ちなみに販売されている商品は購入しないかぎり所有権は販売者にあります。
つまりそれは販売者が許可をしていなければ自分には使用する権利もない状態です。
今回の件は試し読みは許可されていますので、どこまでお試しでやっても良いかということがポイントになりますが、お店の人が注意しているのでお店としては試し編みは許可していないことになりますね。
そしてこのtweetのリプに同様な被害者(ジャンルが違う作家さん)もおられました。
この方は百貨店のイベントで著書を並べていたときに被害にあわれたようで
「本を買わないと作れないんですとお伝えしても理解してもらえませんでした」
とのこと。
なんでそんなこともわからないのでしょう?
と言いたくなりますが、自分の常識は他人の非常識だったりしますしね。
同投稿へのリプ欄では圧倒的に常識寄りの人が多かったので安心しました。
また、試し編みなんて試し読みよりもその本を独占することになりますし、長居することにもなり単純に他のお客様の邪魔であり迷惑です。
これまでに何も考えずに同じようなことをしていた方はもうやめましょう。
シンプルに考えよう!自分がされて嫌なことは人にもしない
編み図(パターン)そのものや、それらで編んだ作品は販売してはいけないと明確に記されていますが、「立ち編みしてはいけない」はいけないとは、確かに明記はされていません。
ただわたしからすると「ふつうに考えたらダメなの分かるよね?」と言いたくなってしまいます。
社会に出ていない子どもや学生などの若年者であれば、「ふつうに考えて」もわからないことでもあるかもしれませんが、全うに成人して社会生活を営んでいる大人だったら、分かっていてほしいことです。
これが分からない大人は、これから身に着ける若者と一緒に以下のことを学んでください。
それが
「自分がされて嫌なことは人にしたらダメだよ。」
と言うことです。
誰もが子供のころにお父さんやお母さん、先生に言われていると思います。
例えば仕事で成果をあげました。
その成果を上司や同僚が横取りして、横取り人が評価されて昇級・昇進したらどう思いますか?
嫌ですよね。
先に公開している以下の記事で取り上げているような著作権とか知的財産権とか難しいことは考えないで、自分がされて嫌なことは人にしなければ良いだけなのです。
シンプルでしょう?
自分がお金を払ったものを勝手に使われて壊されたらいやですよね?
モラルってなに?
マナーってなに?
なんて難しく考えずにシンプルに「自分がされて嫌なことは人にしなければ良い」だけです。
この章の本題としては上記までで良いのですが、余裕がある人はもう少し踏み込んで、書籍が販売されるまでの一例を知りましょう。
一冊の本が完成し販売されるまでに、たくさんの工程でそれぞれに経験とスキルを持った人が関わっています。
ニットデザイナー、パタンナー、テストニッター、編集者、印刷業者、校正・校閲担当者など。
これらの人全員が、今に至るまでに長い時間をかけて教育を受け、勉強して、お金と時間を投資してきています。
その投資によって得たスキルを使って仕事をして収入を得るのです。
また販売店だってお金を払って仕入れて販売していて、収入を得ています。
販売されているものは誰かの生活費になるのです。
販売されているものを利用するならば、きちんと購入しましょう。
お金を払うまでもないと思うならば図書館に行きましょう。
まとめ
今回このような話題を取り上げることになったのはわたしとしては嘆かわしいことです。
迷惑行為というのは病気でない限りは想像力の欠如が招くものだと思っています。
(単なる自己中も大いにありますが)
しかし、もしかしたら立ち編みをした人や、「本を買わないと作れない」ことが理解できない人(理解はしているけど受け入れたくない人も)は、「貧(ひん)すれば鈍(どん)する」という言葉があるように、今経済的に余裕がないゆえに考えが足りない状況だったのかも知れません。
この記事では割とキツメな言葉で思いをつづってきましたが、こんな世の中です。
本当に経済的に余裕がない人はとても多いでしょう。
そんな生活のなかでも少しの心の潤いのために編み物をしているという人もいるかもしれせん。
編み物という趣味はお金がかかる趣味でもあるのですが、出費を抑えることも可能です。
当ブログではコスト抑える方法を提案しています。
今回たち編みした人は本の中にあるいくつかの編み図の中から、一つしか編みたいものがなかったのかもしれません。
そういう時こそ、ラベリーなどのダウンロードパターンを購入できるサイトで探してみるか、図書館に行きましょう。
もし経済的に厳しくてなるべく出費を減らしたいと思っているならば、上の記事を参考にしてください。
わたしも気づかないうちに、「このくらい良いだろう」と図々しいことや迷惑なことをしているかもしれません。
この記事を他人事として読んでいる方も、わたしと一緒にふだんの振る舞いを見直してみませんか。