編み物をする人にとって編み直しはつきものです。ほどくとラーメンのようにチリチリになっていますよね。
そこで毛糸をまっすぐに戻したいと思います。
調べてみるとさまざまな方法が紹介されていますが、なるべく手間がかからずに、今家にある道具を使って解決したい。
そこで、今回はスチームアイロンで伸ばす方法を実践しました。
ほどいた毛糸を伸ばす4つの方法
まず、毛糸を伸ばす方法ですがどのような方法があるのか調べてみました。
質問サイトやどなたかのブログで紹介されていた方法を書き出すと以下のようになります。
- やかんの口から出る水蒸気に当てて伸ばす
- かせにして洗ってかせに重りをかけて吊るして干す
- 毛糸再生器を使う
- アイロンのスチームを当てる
1の方法は、ガスコンロでやかんを火にかけっぱなしにしないといけないし、毛糸が燃えるかもしれない。
2の洗って干す方法は、思ったよりかせの量が多くなったので重りの効果があまり出なそう。
3は毛糸再生器を持っていないので不可能。自作している人も多いので機会があったらやってみたいけど今回は見送り。
3の毛糸再生器、買いました!
興味ある方はこちらをご覧ください。
さて今回は、4のアイロンのスチームを当てる方法を実践します。
もし身近に手伝ってくれる人がいるのならこちらの方法をおすすめします。
ほどいた毛糸を伸ばす作業の流れ
簡単な流れは、ほどく→かせにする→スチーム→玉巻です。
以下より工程ごとに実際した方法を具体的にレポートします。
ステップ1.作品をほどく
今回ほどくのはこちらのポンチョです。
5年くらい前に編んだもので、デザインも可愛くて毛糸もお気に入りだったのですが、いつ着たら良いのか着る時期を見極められずいたらクローゼットで眠ったままになりました。
しっとりとした肌触りが気に入っていた毛糸でクローゼットに眠ったままなのはもったいないので、もっと活躍できるアイテムに作り直します。
使用糸は、ハマナカアルパカソノモノウール。
糸の構成はウール60%、アルパカ40%です。
まずは解きます。
前後身頃を編み、はぎ合わせてから目を拾い襟を編むという流れで編んだので、逆の工程をとって解体します。
仕上げのスチームをかけて整えるどころか、糸始末すらしていないので解体作業には好都合。
襟を解ききったら、前身頃と後ろ身頃を分解、さらに手出し口のゴム編みを解体します。解体したら毛糸を解きながらかせにします。
かせの作り方は、協力者がいる場合は協力者の腕を借りましょう。
協力者に良い感じに両腕を広げてもらってくるくると巻きつけます。サザエさんでカツオやマスオさんが付き合ってくれているあのイメージです。
協力者はとても腕が疲れます。協力者の腕が疲れるのが忍びない方は、役割を逆にしてあげましょう。
わたしはかせくり器を持っているので、解きながら直接かせくり器に巻きつけます。
かせくり器を回すとどんどん巻き付きますが、糸を割って編んでいたり細い糸が絡み合って意外とスムーズに解けません。ボロボロにならないように丁寧に扱います。
ステップ2.かせを作る
かせくり器に2玉分の毛糸を巻きつけたたら輪の状態でかせくり器から毛糸を外し、別糸で結んで束ねます。
見事なラーメンです。チリチリですね。
この作業を全ての糸が解き終わるまで続けます。全て解いたものがこれです。
バッハのカツラとかマーテイー・フリードマンの髪みたいです。
手出し口のゴム編みの部分は直径3cmほどの小さな毛糸玉になり、かせにするには少なすぎたのでこれはこのままにします。
ステップ3.スチームをかける
今回のメインのスチームかけに入ります。温度は羊毛のメモリに合わせます。高温ですね。
毛糸を引っ張りながらスチームをかけるので、何に引っ掛けるのか考えます。
上記画像のかせを吊るしているものは、室内干し用の物干し竿です。
これに吊るしたままスチームをかけることを考えましたが、我が家には猫がいてスチームを出してる時に近くを猫が通ると危ないので、アイロン台を使うことにしました。
アイロン台が倒れないようにしっかりと固定をしましょう。わたしは6kgと4kgのダンベルでアイロン台の脚を固定しています。
利き腕でアイロンを持ち、もう片方の手でしっかりと伸ばしながらスチームを当てます。この時に毛糸からアイロンは浮かせます。毛糸が焦げないように気をつけましょう。
一度に全ての毛糸をキレイに伸ばすことはできないので、一度めは表側に出ている毛糸にスチームを当てて一周したら裏返して伸びてない毛糸にスチームを当て直します。
キレイに伸ばすコツは、かせを少ない毛糸量で作ることです。
以下の画像は、右側がスチームを当てたかせ、左側がスチームを当てる前のかせです。キレイに伸ばせています。
前述の通り、毛糸2玉分で1かせとしてかせを作ったのですが、量が多いとスチームの当たり具合にムラが出ます。毛糸1玉分でかせを作ったものもあったのですが、そちらの方がすぐに伸ばせます。
スチームをかける回数を減らしたくて、2玉分を1かせにしたのですがその1かせ分を伸ばすのに時間がかかるので、かせ数が多くなっても1玉分のかせの方が早く仕上がるかと思いました(あくまで個人の体感です。時間を計ったわけではありません)。
キレイに伸ばせるのですが、とにかく暑い。
本日の気温は24.5℃でした。汗だくになりました。
7割くらいのかせにスチームを当てたくらいで、もう汗だく具合が気持ち悪くてスチーム作業の続きは後日にすることにしました。
ステップ4.玉巻する
こんな感じにキレイに伸ばせました。
ところどころ伸ばしきれていないですが、これは作業者の性格です。
「ここまでキレイになればいいや」の基準は人それぞれですよね!
わたしは雑なのでこんな感じです。
これを玉巻にします。
玉巻する作業の具体的な流れは、過去記事
を参照してください。
これで完成です。
スチームでほどいた毛糸を伸ばした感想
はっきり言って、めんどさい。
そして、暑い!
これまでもほどいた毛糸で編み直しをしたことは何度もありましたが、伸ばすという作業をすること自体を知らないでいました。
伸ばす必要があることを知ったのは編み物友達が「これ、古いセーターをほどいて編み直したんだよね。本当はアイロンでまっすぐにしてから編み直すんだけどめんどくさくて。」と話したからでした。
その時「え?そうなの?」と思っただけで、その話を聞いてからも数年間、編み直しは縮れたままでしていましたがキレイに編むことにしっかり意識を向けるようになり「縮れていたらゲージも合わなそうだし、編み目も汚くなりそう。」と思い、本記事のような作業をしてみました。
当たり前に普段からほどいた毛糸をまっすぐに直している方はなんともないかもしれませんが、よっぽどめんどくさかったらやらないでいいかも…。
「縮れていたらゲージも合わなそうだし、編み目も汚くなりそう。」
これは実際どうなのか。
これを検証してみるのもいいかもしれないですね。
めんどくさいと言いながら、今回の残りのかせはしっかり伸ばすことにします。
コメント
とても参考になりました。レポート、ありがとうございます。
こんなに素敵に編んでいるのに、ほどいたのは勿体ない!!と思いましたが、
お陰様で拙作をほどく勇気もいただきました。
じぇるんさま
コメントありがとうございます!
実はコメントいただくのは初めてです。
驚きとともにとても嬉しい気持ちで胸がいっぱいです。
ほどくという行為はこれまでの成果物がなくなる後ろ向きなイメージがあるかもしれませんが、
編み直すことによって糸が別のものに変身して大活躍できるようになる、とても前向きなことだと思います。
別の作品に編み直す場合でも、同じ作品を丁寧に編み直す場合でも
編み直した方がきっとお気に入りになると思います。
じぇるんさまのほどいた作品ももっと素敵な作品に変身できますよ。