昨年のいつごろだったか「ニットセラピー」なんて言葉を耳にしました。
どうやらTVで特集されていたようですね。
その特集はこちら↓
すっごくざっくりまとめると「同じ動作を繰り返して集中することでストレスを忘れる」ということらしい。
そうですね。
無になって編んでいる間はそうだと思います。
でも正直に言うと編み物をすることが当たり前すぎて、セラピーとしての効果があるのかは疑問でした。
だって意外と頭使うし。
キレイに編めないと悔しいし。
慣れない技法を取り入れてうまくできないとイラっとするし。
ただ、やはり何かに熱中すると心地よい疲れを感じることがありますよね。
ストレスになってしまうこともあるけど、確かにセラピーとして有用なことはあるかも。
そこで今回は、セラピーとして効果があるときとないときってどんなとき?と考えてみます。
ニットセラピーとは
「ニットセラピー」または「編み物セラピー」という言葉。
最初にこの言葉を聞いた時、これまでにそっと距離を置いた友人・知人たちが走馬灯のように駆け巡りました。
宇宙と交信できるようになった人。
突然何かに目覚めヒーラーになった人。
オーガニックに傾倒しオーガニックなモノが手に入らないとイライラする人。
など。
ハンドメイド、ハンドクラフト界隈にはなぜか突然スピリチュアルにハマってしまう人が多いのですが(まぁ、どんな人がそうなるのか大体わかってるけど)「またそれ系か?」ってなんて訝しく思っていました。
でもそんなに胡散臭い話じゃなくて、要は「集中することでストレスを忘れ気分転換になるよ」ってことかなと。
確かにそれは理にかなっているなぁと思います。
常に心配ごとがあったり、悩んだりしている人にオススメの本、「道は開ける(デール・カーネギー著)」に書いてあります。
人は悩むこととほかのことは同時にできない。
(すごくざっくりですが、こんなようなことが書いてあります。)
なるほど。
実際にどのような効果があるのかというと
一目一目淡々と編み続ける作業で、つい他のことを忘れてしまうほど集中したときの脳の活動は瞑想に近い状態であることが認められている。具体的には、脳の伝達物質の活動をコントロールするセロトニンの分泌が活性化し、ストレスホルモンが減少する。これによって心拍数・血圧が低下し、不安やストレスを軽減する効果がある。
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そうですか。
わたしは毎朝血圧を測っていますが、血圧は特に下がってませんけどね。
血圧が下がるときは老猫が夜鳴きしなかったときです。
医薬品でも、胡散臭いダイエットサプリでも、眉唾な健康法でも、個人差があるのが常です。
だからニットセラピーも個人差があるのでは?
とはいえ、かつて適応障害で通院していたころ、待合室で編み物をしていたらメンタルクリニックの先生に「編み物するんですねぇ。いいですよ。編み物をすることは。」と、ニットセラピーという言葉がメディアに取り上げられる前に言われているので、編み物をすることがメンタルに良いのは確かと思います。
編んでいてストレスなこんなこと
冒頭に述べたように編み物は楽しいけども、悩んで手が止まったりうまくいかなかったりすると、頭が疲れたりイラっとすることもあります。
編み図の解読では「裏から編むときはどうなるの?」となるし、サイズ調整するなら段数・目数を割り出し計算が必要だし、衿ぐりの拾い目では「どこで目を拾うか」などバランスを考えます。
眠いとき、イライラしているときに、こんなことは考えられません。
例えば覚えている最近編んだものでいうと…。
- 一段3色の編み込み模様で指にかける糸が弛む
- 超極太糸だとやたら手が疲れる
- ボッブルの編み方を間違えたまま半分くらい進んで「ンギギギ」となる
- モヘアは簡単にほどけない
「似たような経験したわ。」と思い当たる人、
( `°罒°)ムキー
ってなりませんでした?
でもやっぱり編むことが楽しいし、完成したときの達成感を知っているし、次に編む物を計画するのも楽しいから編み物は続いています。
けど、引用させていただいたように血圧の低下は特にないし、適応障害が治ったのは編み物をしていたからじゃなくて、単純に原因となった職場から離れたからで…。
本当にニットセラピーの効果ってあるのかいな?
わたしのニットセラピーはメリヤス砂漠だった
とまぁ、ニットセラピーには少々懐疑的だったのですが「あ、今なんかいいかも」と理解できた瞬間がありました。
それはわたしが嫌いなメリヤス砂漠を編んだときです。
メリヤス編みが続くときわたしは
「ずっと変わり映えのしない編み地、単調なリズム。飽きるわ!目が乾くわ!」
と思っていました。
でも先日突然理解しました。
スピリチュアルに突然傾倒した知人の言葉を借りるなら「雷に打たれ目覚めた」です。
体感できた癒し効果
寝不足でイライラしていた日「今日は衿ぐりの拾い目の計算ができそうもないなぁ」なんて思っていました。
で、ふとほったらかしになっていたメリヤス砂漠を編み始めたんですよ。
ひたすら輪に表編みだけ編んでいく。
ふだん使っているものより細めの5号の棒針で延々と。
気が付いたら1時間過ぎてました。
こんなに針のリズムが心地よいと感じたことはこれまでなかったです。
以前ならば「単調でつまらん」と思っていた同じ動きの繰り返し。
それが淡々と一定のリズムで進んでいくことがすごく心地良いのです。
どこかに「編み物は瞑想と似ている」と書いてあったけど、なるほどと思いました。
(瞑想したことないけど)
ニットセラピーの効果は人それぞれ
おそらくは、環境、個人の技術レベル、やりたいこと(編みたい模様)、そのときの体調や精神状態によって、ストレスになったり、セラピーになったりするのでしょう。
わたしにとってセラピーになり得るのは、いまのところメリヤス砂漠ということみたいです。
まとめるとこういうことかな?
わたしにとってセラピーになる条件
- 一定のリズムを刻む
- 手や腕が疲れすぎない重さ
- 頭を使わないで編める模様
あとは、糸の質も関係ありそうですね。
編み物は好きだけど特に健康効果(血圧が下がるw)は見られなかったわたしであり、メリヤス編みは砂漠だと思っていたわたしにとっては、メリヤス砂漠がニットセラピーでした。
ちなにみ英語で言うと、Therapeutic knitting らしいです。
棒針編み→Knit
かぎ針編み→Crochet
アフガン編み→Afghan knitting
ということはセラピー効果はかぎ針編みとアフガン編みにはないのかな?
かぎ針・アフガン編み
冗談です。
knittingで「編み物」ですものね。言ってみただけです。
とにかく、編み物はメンタルに良いのです。