ほどいた毛糸を伸ばす方法シリーズも、ついに4記事目になりました。
当ブログの記事【編み直しをしたい! ほどいた毛糸を伸ばす楽な方法を検証】は、ずっと人気記事にランクインしていますが、それだけみなさん毛糸
を伸ばす方法に関心があるということですよね。
これまでよりも簡単な方法はないものかと考えていましたが、過去記事で提示していた方法ですぐにできるけど、試していない方法がありました。
それが『かせにして洗って重りをかけて吊るして干す』方法。
この方法は「他の方法に比べて伸ばせないんじゃない?」と思っていてずっとやらずにいました。
でも実際はどうなのか?ということで、今回はこの方法で毛糸を伸ばしてみたいと思います。
これまでの毛糸の伸ばし方をおさらい
まず、検証に入る前に毛糸の伸ばし方にはどのような方法があり、これまでにどの方法で行ってきたのかをおさらいしておきます。
『毛糸を伸ばす方法』シリーズ第一弾 スチームをあてる
こちらの記事によると、以下のような方法があると提示していました。
- やかんの口から出る水蒸気に当てて伸ばす
- かせにして洗って重りをかけて吊るして干す
- 毛糸再生器を使う
- アイロンのスチームを当てる
このうち第一弾で行ったのが、4のアイロンのスチームを当てる方法。
こちらは作業者の性格次第でキレイに伸ばせます。
ただし夏場は暑くてしんどいです。
『毛糸を伸ばす方法』シリーズ第二弾 スチームをあてる(助手あり)
第二弾は、第一弾の+αとして二人で行う方法を検証しました。
こちらの記事も、アイロンのスチームを当てる方法ですが、「一人でやるよりも、人の手を借りた方が楽だよね。」ということで、夫の手を借りました。
一人でやるより断然楽です。
『毛糸を伸ばす方法』シリーズ第三弾 毛糸再生器を使用
わたしはブラザーの毛糸ゆのし器を使っていますが、ほかには鍋のようなものと、やかんのようなものがあります(興味ある人は調べてみてください)。
ゆのし器は素晴らしいです。
楽にキレイに伸ばせます。
しかし、この方法は実行できる人が限られています。
なぜなら、もう生産されていないから。
フリマやオークションなどで出品されてはいますが、新たに生産されることはないわけで、いわゆるパイの奪い合い、ゼロサムゲームです。
ということで、未実施なのは以下の二つの方法。
- やかんの口から出る水蒸気に当てて伸ばす
- かせにして洗って重りをかけて吊るして干す
今回は2の『かせにして洗って重りをかけて吊るして干す』を試してみたいと思います。
これで伸ばすことができたら、特別な道具は要らないし、ほどいて洗って脱水したら後は干すだけで、楽ちんですね。
なお、参考にしたのはこちらの記事です。
【実践】「洗って脱水して放置」だけで毛糸は伸びるのか
参考にしたあむあむさんが伸ばせていないので、やる前から「これは無理なんじゃない?」と思っていますが、とりあえずやってみましょう。
今回は伸ばす毛糸の量が多いことと、ゆのし器で伸ばした場合と比較するためと、品質を損なったときの保険として、一部を実践に使います。
ステップ1.ほどく
今回ほどくのはこれです。
プリンセスアニーを2本引き揃えて編んだ、イギリスゴム編みのマフラーです。
引き揃えて編んだのでちょっと大変ですが頑張ります。
とりあえず、玉にました。
※今回は2本取りで編んだので一度玉巻きしましたが、1本で編んでいるならばかせを作りながらほどく方が楽です。その場合はステップ2は不要です。
ステップ2.かせにする
玉になったら、次はかせにします。
わたしはかせ繰り器を使いますが、もしかせ繰り器がない場合は何かで代用をしましよう。
例えばこれは椅子の背もたれを利用ものです。
※このように弛ませると外周がばらばらになり、伸ばす力が均一に渡らなくなりそうなので背もたれにぴったり沿わせて巻き付けていきましょう。
他には段ボールを代用している人もいます。
身近で使えそうなものを探してみましょう。
輪っかにして、2か所で束ねました。
これをまっすぐに伸ばします。
ステップ3.熱めのお湯で洗う
桶に熱めのお湯をはり、指定の分量のおしゃれ着用洗剤を入れます。
使用した洗剤はエマールです。
※今回は43度に設定しています。
汚れを落とすことが目的ではないので、洗剤が毛糸全体に行き渡るくらいの時間で引き揚げます。
わたしは3分浸け置きしました。
浸け置きしたら脱水します。
雑巾絞りのようにねじって絞るのは糸がやせたりしそうなので、おにぎりを作るときのような握り方で絞りました。
※この絞り方だとかせが絡まるかもしれません。
バスタオルで包んだりするもの良いでしょう。
※あむあむさんは洗濯機の脱水機能を使っていますが、やってみる人は自己責任でお願いします。
絞り具合の目安は、干すときに水が滴らない程度にしました。
ステップ4.吊るし干し
我が家には室内干し用の物干しざおがあるので、そこに吊るし干しをしたいところですが…。
なんと!
かせが崩れているではないか!!
そう、これが前述した「4か所くらいで束ねるようにしましょう」と言った理由です。
上記画像を見るとわかりますが、絡まっています。
輪っかを作って2か所で束ねていたのですが、洗っている間に一部の糸が引っ張られて、緩んだり引き連れたりしたようです。
さて、重りを吊るすときにキレイな輪になっていないと、糸を引っ張る力が均一にならないと思い、もう一度濡れた状態でかせを作り直そうとしました。
しかしこの作業で地獄を見る羽目になります。
糸が湿気を含んだことで糸同士の摩擦力が高くなり、うまく解けず余計に絡まってしまいました。
一人でやることをあきらめ、夫に手伝ってもらうことにしました。
結果、解くのに二人で1時間かかりました。
一人だったら3時間はかかったかもしれません。
何はともあれ、絡まりを解きました。
残りの2かせは乾かしてからキレイにすることにします。
と、ここで気が付きました。
「おや?なんか、伸びてない???」
なんかもうかせも崩れているし、重りは付けずにとりあえず乾かすことにしました。
結果
完全に乾くまでに三日間かかりました。
乾いたものを見てみましょう。
伸びてる!!
ゆのし器で伸ばしたものと、洗ったものを比較してみます。
ゆのし器で伸ばしたものと比較しても、遜色ない伸び具合。
意外ですね。
正直言って、こんなやり方じゃ伸びないと思っていました。
あむあむさんは「ひっぱりながら洗う」と言っていますが、わたしは洗うときには引っ張っておらず、あくまで洗剤を糸になじませる程度でした。
そして干すときに重りを吊るして引っ張る予定でいましたが、干すときにも引っ張っていません。
結果として、「洗って脱水して放置」だけで毛糸は伸びるのかという検証の結果は「素材によって伸びる」と言えることができると思います。
あむあむさんの糸はアクリル70%とのことですが、今回の糸はウール100%。
この違いが結果の違いに影響があったのでしょう。
まとめ
あむあむさんの検証と今回の検証をまとめると以下のような結果になりました。
・ウール100%ならば熱めのお湯で洗うだけで伸ばせる
「簡単な方法で毛糸を伸ばす方法はどれか」を結論付けたかったのですが、どうやら素材によって答えは変わりそうですね。
絡まったり検証条件がブレたり、なんだかグダグダになりましたが、素材によっては、「かせにして洗って重りをかけて吊るして干す」方法でも伸ばせることは分かりました。
もしこの方法を試したい方がいましたら、くれぐれも丁寧にかせを作ってください。
乾くまでの時間はかかりますが、吊るして干してしまえばほったらかしにできるので、この方法で伸ばせるのならば、スチームを当てるよりうんと楽です。
※ただし、絡まらなかった場合