編み物が大好きな人ならば、一度は考えたことがあると思います。
「編み物を仕事にしたいなぁ」と。
わたしも考えたことがあります。
でも考えれば考えるほど「わたしは編み物を仕事にできない」という結論に至ります。
わたしにとって編み物は趣味ですが、実は本業とは違ったもう一つのキャリアであることに気が付きました。
今回は編み物がどのようにキャリアとして活かせるのか考えてみました。
編み物で稼ぐことの難しさ
まず編み物で稼ぐ方法として第一に思い浮かんだのは、編んだものを売るということですが、この方法で稼ぐのはかなりハードルが高いです。
かつてのハンクラレッドオーシャンを眺めて思っていたこと
数年前にハンクラブームってありましたよね?
「ハンドメイドで稼ごう!」と、息まいたハンドメイド作家さんがたくさんいました。
わたしは当時こう思っていました。
「稼ぐことを目的に今からハンドメイドを始めても遅いよ」と。
ブームが来てから参入しても遅いのです。
やりたい人が多ければ、供給過多になり売れ残ります。
商品が売れ残った人はどうしますか?
価格を下げるでしょう?
低価格競争になったらその市場はもう終わりなのです。
稼げません。
実際に採算合わなかったのでしょう。
かなりハンクラ市場は縮小されました。
こちらの方のブログの「ハンドメイドについて思うこと」というカテゴリの記事を読むと、いかに残念な結果になった人が多かったかがわかります。
結局、現在も残っているハンドメイド作家って、ブームがくる以前から稼ぐことが目的ではない、何かを作ることを楽しめている人でしょう。
自分が編んだものに値段をつけてみる
さて「ハンクラ」と一括りにしましたが、ハンクラにもいろいろありますよね。
ハンクラの中で一番採算が合わないのって、編み物ではないかと思います。
パーツを組み合わせて作るアクセサリーや、ミシンでダダダダって縫い合わせる衣服に比べて、編み物は完成までに時間がかかります。
(編む物によるけど)
さらに、編み物って上手・下手が一目でわかります。
(目が肥えている人にはどんな物でもそうだけど)
布製のアクセサリーを制作・販売するハンドメイド作家の友人がいるのですが、この友人の作品は大量生産ができます。
それに比べて、わたしが本気を出して編んだとして、並太の毛糸でセーターを編み上げるのに2週間はかかりました。
単純に計算して、2週間本気で友人とわたしがそれぞれの作品を完成させたら、友人200個に対して、わたしは一つしか完成できません。
(参考までに、友人の販売価格は2,000円〜6,000円)
さて「そのセーター、いくらで売りたい?」と考えます。
まず最低限、材料費は取り戻したいですね。
セーター着分の材料費は10,000~18,000円です。
(毛糸にはこだわるので)
さらに人件費をプラスします。
わたしの居住地域の最低賃金は1,040円(公開日現在)なので、最低賃金で計算します。
(そうしないと馬鹿みたいに高い売値になるから)
2週間フルタイムとして。
(土日休んでない&家事も合間にしてるけど)
\1,040×8h×14day=\116,480
さらに材料費の最低額を加算すると以下のような金額になります。
こんな値段だったらGUで買うよ。
しまむらで買うよ。
となりますよね?
ですがわたしとしては、それでも回収できていません。
毛糸購入の際の送料(店舗に行ったなら交通費)。
一番お金がかからないであろうネット販売をするならば、無料プランの場合でも購入者への送料と、梱包材の費用を追加します。
ここまできてやっと、収支±0です。
さらに、これが最重要ですがデザインです。
自分でデザインできません。
やってみたけど、向いてない。
(コレジャナイ感ハンパなかった)
誰かのデザインの方が断然カッコイイし、カワイイ。
でも他人のデザインで編んだものは売ってはいけません。
個人販売のパターンにも、出版物にも大抵は「編んで売るなよ。個人で楽しめ。」って書いてあります。
(たまにメルカリとかで売ってやがる人いますけどね)
このようにまじめにちゃんと稼ごうと考えると、編んだものを売っても利益はこれっぽっちもないのです。
バイトの方が稼げる現実
編み物で稼ぐと考えたときに、一番に思いついたのは「編んだものを売る」ということだったのですが、編みものに関わっていれば「編み物で稼ぐ」と言えると思うので、編んだものを売る以外に、どんな仕事があるのかリストアップしてみました。
- 講師になる
- デザイナーになる
- テストニッターに応募しまくる
- 内職(下請け)
講師になる
講師になるにはいろいろあるじゃん。
課題を編んだり、試験を受けたり。
めんどくさい。
そんなことより編みたい物を編みたい。
デザイナーになる
デザインもやる気がない。
世の中にはわたしが編みたいデザインがたくさんあって、自分がデザインするよりそれらのパターンで編みたい。
テストニッターに応募しまくる
テストニッターって報酬あるのかな?
しいて言えば、パターンと指定糸が無償で手に入ることかな?
やったことがないからわからないけど、生活費にはならない。
内職(下請け)
内職だからね。小遣い稼ぎよね。
生活できない。
自分が知らないだけで、ほかにも編み物に関わる仕事ってあるかな?
知ってる人がいたら教えてください。
と、まぁいろいろ考えて、わたしが持っているスキルの中だと一番稼げるのはWeb関連のスキルなんですよね。
参考までに、ニットデザイナーで多数の著書を発行されているmichiyoさんは、ニットデザイナーの収入についてこのように申しております。
リンク先のリンク先にも、手芸作家さんの実情が書かれていますので是非読んでみてください。
結局はマックでバイトした方が稼げるのです。
ちなみに、前述の作家の友人はハンドメイドが本業ではなくデザイナーが本業です。
デザイナー兼イラストレーター兼ハンドメイド作家。
ハンドメイド一本では生活していません。
話がずれるけど、ニットデザイナー(手芸作家全般に言えるけど)よりもマックのバイトの方が稼げるという現実があるからこそ「編んだものは販売禁止」と明示されているのに、売っている人がいると腹が立つんですよね。
知らなかった人はこれを読んでください。
知らないならまだしも、知ってやってる人は泥棒だと思うし、乞食だと思っています。
パラレルキャリアとしては最適な編み物
さて、唐突に出てきた言葉ですが「パラレルキャリア」って聞いたことありますか?
パラレルキャリアはキャリアアップやスキルアップ、本業では得られない経験などを目的としており、必ずしもそこに収入が伴うとは限りません。
パラレルキャリアと副業ってどう違うの?注目を集める新しい働き方
このように、直接収入がなくても本業とは別の活動でキャリアアップ・スキルアップに繋がることをパラレルキャリアというようですが、わたしは編み物を通して本業で活かせていることがいくつかあります。
本業に活かせる編み物に関わること
では具体的に、編み物がわたしの本業にどのように活きているかをまとめてみます。
Webマーケティング
このブログの開設当初は単純に、「編み物の楽しさを広めたい」「誰かの編み物に関する悩みを解決する手助けがしたい」と考えていました。
また編み物とは別に、本業の方ではコンテンツマーケティングの勉強もしていました。
そして気がつけば、このブログ自体がコンテンツマーケティングの勉強の素材になっていました。
コンテンツマーケティングについてはこちらをどうぞ。
「マーケティング勉強してます!」と胸を張って言えるほどの成果はまだ出ていないですが、好きなことをブログに書いて本業に関わる勉強ができているのは確かだと思っています。
デザイン(主に色使い)
わたしはデザイナーとしてはイマイチでした。
余白の使い方とかレイアウトとか、様々な要素を整理するのが苦手でしたが、色使いだけでなんとかなっていました。
それは無難な色使いをすることで、冒険した色使いは避けていたからです。
でも編み物をとおして「あ、こんな色合いも良いのか」とこれまでにはなかった色使いの引き出しが増えてきました。
もうデザイナーはやってないけど、たまにWebサイトの運用業務でデザイン修正が入ったりするしいつか活かせるかもしれない。
その他
このブログもいつの間にか広告収入が得られるようになりました。
みなさん、本当にありが㌧♪(・ω・)ノ
稼ぐことが目的でブログを始めた人のほとんどは続きません。
すぐには収益は上がらないので途中でやめてしまいます。
趣味ブログはアフィリエイト記事に比べて、大きな金額を稼ぐことは難しいです。
でも、趣味についてのブログならずっと続けることができます。
編み物を続ける限り、ネタは尽きないし記事が増えます。
記事が増えればアクセス数が増えて、収益につながります。
だからわたしにとって、編み物はパラレルキャリアになるのです。
まとめ
我が家が資産家だったり「好きに暮らして良いよ」と言えるほどの不労所得がある家庭ならば、微々たる額でも編み物だけで稼げたらうれしいかもしれないけど、現実問題として家賃を払わないといけない身であり、生活費を稼がないといけません。
だから本業はWeb関連にして、編み物はパラレルキャリアにしようと思います。
わたしと同じように編み物が好きな人で、編み物を仕事にしたいけど本業にするのは難しいと思ったら、パラレルキャリアとして考えるのはいかがでしょうか。