編み物初心者さんは気をつけて!正しくない情報に振り回されないために

編み物初心者

先日Twitterでとんでも編み方紹介の動画の存在を知りました。

その動画の主旨は編み物に関するある悩みを解決する方法の紹介なのですが、そもそも編み方自体が間違えているので内容が全く頭に入ってきません。

インターネット上の情報は9割が真偽不明だと言われているくらい怪しい情報が蔓延っている社会では、正しくない情報に振り回されないように、その情報は見る価値があるのかを判断できるようになる必要があると常々思っていましたが、「編み物でもそうなのか」と少し悲しくなりました。

編み物において初心・初級の人だと、その情報が正しいのか、見る価値があるのか、の判断はむずかしいですよね。

今回は編み物に関するノウハウやハウツーの情報が正しいのか、見る価値があるのか、を判断できるようになるためのヒントをお伝えしたいと思います。

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そのやり方物申す!ノウハウを教える以前に基本を見直して!!

その動画は「編み目が整わない」「編み目がきつくなる」というお悩み解決を目的とするノウハウ動画のようです。

話の内容すべてが間違いというわけではないのですが、そもそも基本のキの表編みと裏編みが間違えているので、その時点でこの人の言うことは信用に値しないと思ってしまいました。
※信用に値するかどうかというのは私が「他者に紹介したい」と思えるかどうかです。

この編み方は編み物警察の格好の餌食です!!

正しい編み目の向きは、ニットマルシェで毎号「編みはじめる前に知っておきたいこと」のコーナーの「正しい編み目の状態」でイラスト付きで記載されていますので、お手元にニットマルシェがある方はそこで確認できます。
(素材写真作ろうと思ったけどちょっと忙しいので省きました)

間違いは右針を入れる場所と右針に糸をかける向きです。
これが逆側になっているので、針にかかる糸の向きも逆になります。
(別の悩みの解消方法で海外の人があえて逆側に右針を入れて編むという方法は見たことはありますけど)

動画の編み方は、表編みだけが間違えで裏編みは合っている、またはその逆場合はねじり目になってしまうのですが、表編みも裏編みも間違えているので結果的にふつうのメリヤス編みが成立します。

「結果的にメリヤス編みになるんだから良いんじゃない?」

と思いますか?

『自分のやり方は間違っているけど、これが自分にはやりやすい。』

ということがわかってやっているなら良いのです。

でも、間違っていることが分からない初心者がこのまま間違った方法で編むことを覚えると後で問題が発生します

ちなみに、冒頭の「編み目が整わない」「編み目がきつくなる」というお悩みは以下のよう解決できます。

編み目が整わない:かける糸のテンションを一定に保つ
編み目がきつくなる:針先で編まない

です。

糸を強く引きすぎないのはあの動画の言うとおりですが、針が通らないくらいきついというわけではなく、仕上がりをふんわりとさせたいだけならば針を太くすればよいです。

その方がかける糸のテンションをゆるくするよりかんたんで、かつ編み目が整います。
※針が通らないくらいきつい人はテンションをゆるめましょう。

あの動画のとおりにゆるく編んだら逆に糸のテンションを一定に保つのが難しいと思いますし、あんなにダルンダルンなかけ方だと、編み込み模様が汚くなります。

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間違えて覚えた先に発生する問題とは

ここからは間違えてあの編み方で覚えしまった場合に、どんな問題が起こるのかを考えてみます。

今回話題にした動画で学び、間違って覚えた表編みと裏編みでマフラーを完成させたとします。

おそらくこの時点では表編みと裏編みを間違えた方法でキレイに編めるようになったことでしょう。

さて、次はセーターを編みたいぞ。

となったとき、この動画では出てこないねじり目や、かけ目、右上二目一度、左上二目一度が出てきます。
もしかしたら中上三(もしくは五)目一度も出てくるかもしれません。

これまで知らなかったテクニックを習得するために、インターネットで検索します。

すると棒針にかかっている目が逆向きになっていますね?

さぁ、正しい編み方をしている人の動画を見ながら、自分の間違った糸のかかり方をした状態でこれらの操作ができますか?

さらに裏から二目一度を操作するときはどうでしょう?

混乱しませんか?

中・上級者ならできるでしょう。
目の向きを修正すればよいこと知っているから。
(裏から見たときの二目一度は向きを替えますしね)

でも初心者から初級に上がるくらいの人だと、どの人の動画を見ても、どの基礎の本を見ても、間違えて覚えて編んだので針にかかっている目が逆になっているから、動画や本の見本と自分の針と糸の状態が違い、そこで混乱します。

間違った方法で覚えていると自分と同じ悩みを抱える人がいないから、解決の糸口を見つけることができません。

だからこそ、基本はしっかりと正しく覚える必要があるのです。

母国語が日本語で日本在住ならば、まずは多くの日本人が使う編み方で編むようにしましょう。

もし目が逆向きの状態から、裏から見た右上二目一度・左上一目一度、中上3目一度など、ふつうにやれているという方がいたらお知らせください。
当ブログで紹介させていただきたいです。
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一番信用できるのは大手出版社の基礎の本

前述のとおり、インターネットの情報は9割が真偽不明です。

「ならば何を信じたら良いの?」

と言う話ですが編み物においては本です。
本は信じて大丈夫です。

なぜならば、編み物のプロが書いて、プロが校正しているからです。

世の中には本に載っていないようなテクニックやハウツーもたくさんありますので、本だけが正しいとは言えませんが、本に載っている技術が正しいことは確かです。

ここで間違えないでほしいのが本に載っていない基礎(作り目のやり方など)が正しくないのではありません。

本に載せきれない正しいテクニックもたくさんあるということは初心者・初級の段階では頭の片隅に入れて置いて、編み物に慣れてきたら本に載っていないテクニックにチャレンジしてください。

個人運営の動画やブログ(このブログも個人運営です)は、第三者かつプロの校正は入っていません。

実際にこのブログでも一時期間違った情報を公開していました。
(該当記事は正誤がわかるように修正しています)

わたしのように自信満々な雰囲気の文章だとそれが正しいと思ってしまうかもしれません。
あの動画のようにドヤった語り口調だとそれが正しいと思ってしまうかもしれません。

でも基礎の本を見ておけば「これはおかしいな」と気が付けると思います。

真偽不明な情報に振り回されないために、最低1冊の基礎の本は手元に置いておきましょう。

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まとめ

編み物は基本的に自由であり、正しいとか間違いとか言いたくないと思っています。

だからこそ今回の記事の題材にしたあの動画には「どうしたもんか」とモヤモヤしました。

あの動画のUP主にあの編み方でたくさんの制作実績があって、しかもハイクオリティならもちろん何も言えませんが、そのへんが見えないんですよね。

なのであれを見て編み物を始めちゃった人の今後を考えたらちょっと黙っていられなくなりました。

あの動画のおかげで間違えた編み方を覚えてしまった人たちのために、今後出合うであろうあらゆる技法のフォローは、動画のUP主はしないでしょうから。

正しいとか間違いとかはあまり言いたくないけど、あれは間違いだとはっきりと言います。

あのやり方で編み物を始めてしまう人がいたら今後絶対に詰むから。

編み物の経験を積んでいって新たなノウハウやハウツーを知りたくなったときに、正しい情報を見つけるためにも基礎だけは正しくで身につけてほしいと思います。

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