かわいい糸屋さんのAVRILが廃業するというお知らせは、界隈にいる人たちにとって衝撃的なニュースだったと思います。
2024年2月29日をもって吉祥寺店以外の営業を終了をしたという告知を見て「うっそ!!ショック!!なんで!!」というのが第一声でした。
きれいに物事を終わらせるのは難しい
日頃より株式会社アヴリルをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。突然のご案内となり恐縮ですが、この度株式会社アヴリルは令和6年2月29日をもちまして事業を終了する運びとなりました。平成4年4月の開業より、長きにわたりアヴリルをご愛顧いただきましたこと、心より感謝申し上げます。 pic.twitter.com/ozGV0QLulf
— 糸の専門店 アヴリル AVRIL (@AvrilKyoto) March 1, 2024
わたしはこれまでに何度も転職をしています。
転職の数だけ仕事を辞めているわけで、辞めるというのは「そこでの役割を終わらせる」ということです。
仕事を辞めるときはいつも「きれいに辞めること」を心掛けています。
きれいに辞めるというのは引継ぎをしっかりと行い残された人が困らないようにすることだったり、嫌で辞める(基本これだけどw)にしても残る人たちに言いたいこと言って(あんたの機嫌に振り回されるのはうんざりだよ。とか)嫌な思いをさせないことです。
AVRIL公式オンラインショップの廃業のお知らせは過去形でした。
廃業という大きな事態を事後報告って
「顧客に対してどうなんだろう。混乱を廃業後に招くのはきれいな終わり方ではないなぁ。」
と思いました。
公式の告知文を全文を読んでも状況は詳しく分かりません。
突然のご案内となり恐縮ですが、この度株式会社アヴリルは令和6年2月29日をもちまして事業を終了する運びとなりました。平成4年4月の開業より、長きにわたりアヴリルをご愛顧いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
AVRIIL
廃業に伴いまして、AVRIL pépin 京都 一乗寺、アヴリル公式オンラインショップ、楽天市場店、Amazon店、Yahoo!店は、2月29日までのご注文をもちまして、営業終了とさせていただきます。なお、AVRIL吉祥寺店は継続して営業をいたしておりますので、ご利用ください。
全文はこちらから。
要約するとこんな感じですよね。
オンラインショップもすべて営業終了。
AVRIL吉祥寺店は営業継続。
こう見ると「AVRIL吉祥寺店の事業は誰がやってるの?株式アブリルに変わる他の事業者?」という疑問が残ります。
またAVRIL吉祥寺のInstagramの方には「私共にも急な話で」とあり、吉祥寺のスタッフもあらゆる対応に追われているようです。
このことから顧客だけではなく吉祥寺のスタッフにも混乱を招いていることが分かります。
「さすがにこの状況は良くないよね。」
と思いますが、日が経つにつれいろいろと事情を想像したら、「まぁ、よくある話かもな。」とも思います。
個人事業主やフリーランスなんて、どれだけ仕事がたくさんあっても、病気やケガがあれば急な廃業なんてふつうに考えられますし。
いろいろと内部事情を想像しているうちにふと浅田真央ちゃんの引退を思い出しました。
某芸人が彼女のことを「グダグダやめていった人」と称していました。
ソチ五輪の後の進退に関するインタビューで「ハーフハーフ」と答え、そして休養し、復帰するものの結局は引退となりましたね。
わたしは真央ちゃんのファンというわけではなかったけど、真央ちゃんのスケートに対する真摯な姿勢は胸を打つものがありました。
某芸人にとっては「グダグダやめた」に見えたとしても、フィギュアに対する彼女の強い想いがそうさせてしまったのだろうと思います。
もう終わりかもしれない。
まだ終わりたくない。
そんな想いがぐるぐるしていたのではないでしょうか。
引退時の彼女は26歳。
恐らくスケートしか知らなかったであろう彼女がスケートの競技から身を引く決断をするのはとても悩ましく苦しかったことだろうと思います。
辞めそうな感じ(今思えばメディアの印象操作なのかもなぁ)を出しつつも復帰し、やっぱりやめるという流れにおいてはスマートではなく、某芸人にとって真央ちゃんはきれいに競技人生を終わらせることができなかった人なのかも知れません。
しかし引退会見のとき、涙を隠そうと背を向ける姿は、会見という場ではよくなかったのかもしれないけど、なんて美しいのだろうと思いました。
きれいな終わらせ方ではなかったのかも知れないけど、最後の姿はきれいでした。
何事においても「終わらせる・辞める」というのは、想いが強ければ強いほどきれいにやめることは難しいのかもしません。
京都にはどれくらいスタッフがいたのか。
京都と吉祥寺の連携はどうなっていたのか。
などAVRILの内部事情は分かりません。
株式会社ですし廃業するにあたりいろいろと手続きもあるでしょう。
京都の従業員を守ろうとギリギリまで頑張ってあがいた結果の、急な廃業になったのかも知れません。
開業が平成4年の4月ということなので33年間事業を行っていたことになります。
ヤーンショップとしては長いのか短いのか分かりませんが、起業して1年後に残る企業は40%、5年後に残る企業は15%、10年以上残る企業は6%、20年以上存続する企業は0.3%というデータがあります。
それを思うとAVRILは立派な企業だったと思います。
福箱を購入したAVRILの公式オンラインショップと一緒に写っているにゃんがいなくなってしまったのが寂しいです。
それはそうと。
AVRILはほぼ日のMiknitsと共同開発もしているのですよね。
アランとかどうなるのでしょう。
売り切ったらなくなるのかな。
現時点での情報からはそこまでは読めないですね。
ミクニッツに関してはマメに情報を収集しておきたいと思います。