今年の春に一目ぼれして買ったカワイイ手染め糸。
この糸の魅力を活かせるパターンは何かな?と探したところ、出会ったのが今回編んだCLASSIC TEE。
糸の良さを活かすにはよさそうなパターンなのですが、使用する糸の太さがパターンの指定糸より細いので、サイズ調整が難しいかな?と思ったのですが、なんとこのパターンはXS~5XLと幅広いサイズ展開。
わたしのざっくりサイズ調整論「1号で1サイズ違いの仕上がりになる」に則り、試してみることにしました。
今回は、編みたいパターンと使いたい糸の太さが違った時のサイズ調整の考え方をCLASSIC TEEの例でまとめたいと思います。
結果としては失敗ですが、サイズ調整のヒントにはなると思います。
CLASSIC TEEのパターンはこちらから。
編むサイズを決める
CLASSIC TEEのパターンはXS~5XLとサイズ展開が広いです。
使用する糸と針サイズが同じ場合はまず自分のバストサイズからちょうどよさそうなサイズのパターン通りに編んでいきますが、使用する糸が指定糸より細かったり太かったりする場合はどうすればよいでしょうか。
パターン記載の仕上がりサイズから編みたいサイズを決める
わたしがセーターなどのウェアを編むサイズを決めるときは以下のように考えています。
例)トップバスト(実寸):95cmの場合
デザインや着こなしのイメージに合わせてサイズを選びますが、ゆったり着たいときはXLかLで、ぴったりした感じが良いときはMです。
さて、今回編むパターンに記載されている仕上がりサイズはどうなっているのかというと…。
今回はワイドパンツに合わせて着たいと思ったので、すっきり見えるようにMサイズで仕上がるようにしたいと思います。
ですがMサイズに仕上げようとしてMサイズのパターンで編むと、使用する糸と針が細いので小さく仕上がってしまいます。
このように実際に使用する針が、パターンで指定のものよりも細い(または太い)場合は、次のようにサイズを決めるのがかんたんです。
パターン指定の針と使用する針のサイズの差を確認する
では次に使用する糸に適切な針のサイズを確認します。
今回使う糸はMythica FibersさんのRusitc Silkです。
太さは中細で、推奨針はUS5、3.75mm (JP5号前後)とあります。
それに対してパターンで指定されている針はUS6/4.0mmです。
わたしは日本サイズの棒針しか持っていないので、指定の針サイズを日本の棒針サイズに置き換えます。
すると、指定の針サイズは6~7号が適切となります。
海外と日本の針サイズの置き換えは以下を参考にどうぞ。
今回わたしが使うのは5号です。
パターンで指定の針サイズは6~7号なので、もしこのパターンを指定どおりに編むとしたら7号を使うと想定します。
するとこうなります。
ここでわたしのざっくりサイズ調整論を持ち出します。
1号細くしたら1サイズ小さく、1号太くしたら1サイズ大きくなる
※この持論の根拠:編み物のかんたんなサイズ調整と製図と割り出しの基礎/日本ヴォーグ社
ということは、実際に仕上げたいサイズ+2サイズ大きいサイズのパターンで編むと良いので、Mサイズの2アップはXLです。
つまりXLサイズのパターン編めばよい(はず)ということになります。
と、ここで思い出しましたが、そもそもゲージを取っていません。
指定糸と実際に使用する糸の太さが違うんだから、ゲージを合わせることができませんし。
(指定糸と近い太さの糸で編むならゲージは合わせた方が良いでしょう。
できる人ならば自分のゲージから計算してサイズを決めることができるのでしょうが、わたしにそれができたらこんなギャンブルなやり方はしませんw
もし、まだ編み物経験が浅くて自分の癖(標準より緩めなのかきつめなのか)が良くわかっていない場合は、指定糸で編むか、同じくらいの太さの糸で指定のサイズの針で編むようにしましょう。
その方が失敗が少ないと思います。
替わりの糸の決め方はこちらを参考にどうぞ。
実際に編んでみよう
CLASSIC TEEの編み方の流れは衿から編むトップダウンです。
増し目でラグラン線を作りながら、ネックの後ろ側を引き返し編み(ジャーマンショートロウ)で編んでいき、各サイズ指定の段数まで編んだら輪編みになります。
袖分けをしたら身頃を編み、左右の袖を編んでいくという流れです。
ちなみにパターンのポイントごとに注意書きがあるのですが、こんなことが書かれていました。
「一目合わない程度ならば、デザイン問題はありません」
「〇〇㎝になるまでメリヤス編み」
きっちりとした編み図で編むことになれている人からすると、驚きの適当さですよね。
複雑な模様だと「一目合わない程度ならば、デザイン問題はありません」とは書けないですし、デザインもシンプルなので細かいことは気にしないで、ひたすら編んでいき完成させることにします。
果たしてXLサイズのパターンで編んで、Mサイズに仕上がるでしょうか?
完成そして採寸
では仕上がりを採寸してみます。
採寸結果
数値は
98cm!!
うん。
思ったよりも小さく仕上がりましたね。
MサイズよりもSサイズに近いです。
持論が揺らいでいます。
でも、試着してみたらふつうに着られます。
むしろぴったりな感じです。
想定と違ったサイズに仕上がりましたが、着られるのよしとします。
考察
さて、想定よりも小さく仕上がってしまったのですが、その理由を考えてみます。
まずあの持論
1号細くしたら1サイズ小さく、1号太くしたら1サイズ大きくなる
これは前提が、同じ糸を使用して針サイズだけを変えた場合5%サイズが変わるという話から来ています(上で紹介している書籍参照)。
今回は糸そのものも細いですし、糸の素材も違います。
となると想定よりも小さくなるのは考えられます。
それともう一つ、ゲージを合わせていないこと。
編み物の仕上がりサイズはゲージをもとに考えます。
サイズを決めるゲージを取っていないんだから、失敗して当たり前ですね。
ただ、ワンサイズのパターンしかない場合で、指定糸で編むか、指定糸と同じ太さの糸で編む場合は、1号細くしたら1サイズ小さく、1号太くしたら1サイズ大きくなるという考え方でサイズ調整するのは悪くない方法だと思います。
サイズ調整が苦手な人は英文パターンがオススメ
サイズ調整って苦手な人は本当に苦手ですよね。
わたしも苦手です。
このような人はサイズ展開が豊富なパターンで編んでみるのが良いと思います。
日本の編み図だとワンサイズのものが多く、平均的な身長、平均的なバストサイズの人以外合わないものが多いと思いませんか?
近年ではサイズ展開が広がってきましたが、それでもサイズの幅広さは英文パターンには及びません。
サイズ展開が広ければ頑張って調整しないでも自分サイズでパターンどおりに編むことができます。
また適当さも自分サイズで編めるポイントの一つです。
「試着してきつかったらもう少し編む」
「〇〇㎝になるまで編む」
※アラン模様では「もう一模様編む」というものがありました。
なんて、日本の編み図で育ったわたしには「適当だなぁw」と思ったものですが、この適当さも「自分に合ったもの」を編むことができる重要なポイントだと思います。
英文パターン自体がハードル高い気もするのですがやってみると案外難しくはないです。
サイズ調整の計算より、英文パターンの方がかんたんだと個人的には思います。
サイズ調整がうまくいかず自分にあったサイズでセーターを編めない人は、英文パターンに挑戦してみてはいかがでしょうか。
今回編んだパターンはこちらから。