ここ数年SNSでも話題になっている、100円ショップの編み物コーナー。
糸はもちろん、輪針・かぎ針などの道具も充実しています。
100均は手軽ですが金額と品質は比例しています。
今回は、全く編み物をしたことがない人にかぎ針編みの基礎である作り目と細編みだけで試しに編んでもらって、100均のかぎ針の使い心地をレビューしてもらいました。
はじめに:100均かぎ針の魅力と限界

昨シーズンからブームが始まった編み物。
例年暑い季節は編み物は下火になりがちなのですが、SNSでもメディアでも、酷暑の記録を更新した今でも編み物が話題になっています。
近所の100均の編み物コーナーも売り場が拡張されていてまだまだ編み物ブームは続いているようです。
100均で道具も糸も揃うのは気軽に始められるという大きなメリットがあります。
しかし編み物を長く続けたいならば道具の選び方がとても大切だと思っています。
そして道具の品質は価格に比例するとも思っています。
では100均のかぎ針は実際どうなのでしょうか。
ここから実際に100均(ダイソー)のかぎ針とメーカーのかぎ針(クロバー)で同じものを編み比べて、出来上がりと使用感をレビューしていきます。
注:この記事で使用しているかぎ針は公開当時2020.09.27時点の製品です。今では改良されている“かも”しれません。
初心者が実際に編んでレビューする
わたしはすでにお気に入りの編み針を持っています。それがこちら。

わたしのようにすでにお気に入りの道具を持つ人がレビューしてしまうと「良い道具が100円に負けるわけがない」という思い込みがすでにあるので、公平性に欠けてしまいます。
ということで今回は、全く編み物をしたことがない人に“初めてのかぎ針編みを100均(ダイソー)のかぎ針”で編んでもらいました。
今回の目的は編むことではなく、100均のかぎ針とクロバーのかぎ針の使い心地を比べてもらうことにあります。
使い心地に違いがないなら、編み物が今後続くかわからないという人には100均のかぎ針をオススメすることができますからね。
編む人:未経験の夫
今回この検証に協力してもらうのは夫です。
夫は編み物は全くしたことがありません。ふだんの様子から編み物にさほど興味がないようです。
編み物はできないけど縫い物ができます。仕事はアパレル関係で服飾の専門学校出身。
ちなみに、夫も道具にはお金をかける派です。
使用した針と糸(ダイソー6/0号・7/0号、並太綿糸)
今回使用する編み針は、ダイソーのかぎ針です。
使用する糸に合わせて、6/0号と7/0号を用意しました。

そして、100円のかぎ針で編んだ後にクロバーのかぎ針「アミュレ」で同じものを編んでもらいます。

糸は手持ちのコットンの並太糸です。
極細や極太など、極端に細かったり太かったりすると、針の品質に関わらず疲れやすいので針の品質を確かめるには妥当とは言えませんからね。

白はちょっとまぶしくて編み地が見えにくいと思うので、水色の糸で編んでもらいました。
課題:細編みで作るコースター
課題は【やさしくわかるかぎ針編みの基本】に掲載されている、細編みで作るコースター。

このコースターはくさり編みで20目作り目をして、細編みを22段編み、最後にくさり編みでループを作って完成となります。
クロバーのぎ針と100均(ダイソー)のかぎ針の違い
わたしが教えたのは、作り目の仕方と細編みの仕方。そして編み終わりの処理です。
実際に編み終わってからコメントをもらいました。
ということでした。
これが100均のかぎ針とクロバーのかぎ針で編んだものの比較した画像です。

見た目上では仕上がりの編地の乱れに大きな差は感じません。
(スチームを当てなかったので歪んでるのが検証材料としてツメが甘かったと反省)
しかし仕上がりサイズには大きな差があります。
コメントに「100均のかぎ針はグリップがやや硬くさらさらと滑りやすいため指に力を込める必要がある。」とあるので、余計な力を入れてしまった影響かもしれないですね。
クロバーのかぎ針(あみゅれ)使い心地
ではクロバーのかぎ針の使い心地をまとめてみました。
- グリップの丸みとしっとり感があり持ちやすい
- 糸がスムーズに引ける
- 力が入りすぎず、疲れにくい
わたしはもはやこれらは当たり前の条件として道具を選んでいるので、「でしょうねぇ。」という感じです。
100均のかぎ針の使い心地
さて次は100均のかぎ針の使い心地です。
- グリップが硬く滑りやすい
- 中指にバリが当たる
- 長時間編むと疲れる
少しはいいことを言ってほしいと思いつつ、「バリかぁ。」と思って、じっくり観察してみると確かにバリがあります。

これはカッターナイフで丁寧に取り除けば良いので、バリだけが気になるならそれで対処ができます。
でもやはり品質は値段相応のようです。
編み物を続けたい人に伝えたい“良い道具”選びのヒント

編み物が楽しくなって、四六時中編んでいたり、編んでいるそばから「次は何を編もうかな」なんて思うようになったらすっかり編み物にはまっています。
編み物ってハマればハマるほど、体の不具合を起こします。
肩こりや腱鞘炎なんてその代表格です。
使いにくい道具は必要のない力を使ったり無駄で不自然な動きの原因になり、その結果体を痛めることに繋がります。
ここでいい道具の選びのヒントをまとめました。
- グリップにバリがない(物理的にすぐにケガする)
- 手にフィットして軽く持てる(余計な力が要らない)
- 糸がスムーズに引ける(無駄な動きが要らない)
- 長時間編んでも疲れにくい(これは人によるので自分で試して探すのみ)
すべてのことが「ひとによる」となるので、100均でも全く問題ない人もいるでしょうけども、いろいろと編み物をする人のブログを眺めると、メーカーのかぎ針にしてから100均には戻れないという声は少なくありません。
編み物を長く楽しむために100均のかぎ針に限らず、道具を見直してみると良いと思います。
まとめ

結果として、100円のかぎ針でも編み物をすることはできました。
これから初めてみようかな?
でもできるだけコストは抑えたいなぁ。
という人は100均で試す価値は全然あります。
はじまりは100均で良いと思います。
編み物が楽しくて「もっと編みたい」となったとき、お小遣いに余裕ができたら、まずは道具を見直してみましょう。
良い道具を知ると編み物がもっと楽しくなりますよ。
100均とクロバーのかぎ針を比べてみて思ったこと
100均のかぎ針はグリップがやや硬くさらさらと滑りやすいため指に力を込める必要がある。
クロバーはグリップの丸みが強くしっとりとしているため、軽く持つだけで良いので指に力を込める必要がなく、手の摩擦だけで糸が引けるから変な力が入らない。
そして、一番気になったのは100均のかぎ針はグリップのバリが中指に当たって痛いこと。
※バリとは金属や樹脂などの素材を加工した時にできる素材の出っ張りのこと。
結論から言うと、100均でも編めるけど無駄に疲れるので挫折しやすいと思う。
試してみたいという人にはいいけど2本目以降の購入にはオススメできない。
編み物初めての30代男性より